分子標的治療薬が腎癌細胞のPD-L1発現に及ぼす影響とその機序の解明
Project/Area Number |
16K20157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
平山 幸良 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 医員 (10749245)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2016: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | everolimus / PD-L1 / PD-1 / renal cell carcinoma / RCC / 腎癌 / 腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント |
Outline of Annual Research Achievements |
Everolimus(EVE)が癌細胞のPD-L1発現に与える影響を解析し、EVEと抗PD-L1抗体の単独及び併用療法の抗腫瘍効果について検討した。 (1)ヒト(786-O)及びマウス (RENCA)腎癌細胞株をEVEで24-48時間treatしFCMでPD-L1発現量の変化について解析を行った。EVEはPD-L1の発現を濃度及び時間依存性に増強することがわかった。 (2)RENCAを免疫正常BALB/cマウス皮下に移植し、①vehicle単独群②EVE単独群③抗PD-L1抗体単独群④エベロリムス+抗PD-L1抗体の併用療法群の抗腫瘍効果について検討した。EVEに抗PD-L1抗体を併用することでcontrol群、EVE単独群に比較して有意に抗腫瘍効果の増強を認めた。 (3)摘出腫瘍についてKi67、TUNELで増殖能、アポトーシスを評価した。腫瘍増殖能はEVE単独群及びEVE+抗PD-L1抗体併用群でvehicle群に比較して有意に低下を認めた。腫瘍のアポトーシスについては抗PD-L1単独群及びEVE+抗PD-L1抗体併用群で有意に増加していた。 (4)上記xenograft中の腫瘍浸潤リンパ球数について、免疫染色(CD3,CD8)で評価を行った。腫瘍浸潤リンパ球数については、CD3陽性細胞数及びCD3陽性細胞に対するCD8陽性細胞の割合も、抗PD-L1抗体単独群及びEVE+抗PD-L1抗体併用群で有意に増加していた。 これらの結果よりエベロリムスは腎癌細胞のPD-L1発現を増強するがその一方で、エベロリムスに抗PD-L1抗体を併用することで腫瘍浸潤リンパ球が増え、抗腫瘍効果を増強することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫チェックポイント阻害剤については腎癌に対してすでに抗PD-1抗体(Nivolumab)が保険承認されている。Nivolumabの使用後に腫瘍浸潤リンパ球数が増加していると報告されており、本研究の結果もそれと矛盾しないものであった。EVEが腎癌細胞のPD-L1発現に対する効果を明らかし、マウスモデルにおけるEVE及び抗PD-L1抗体の抗腫瘍効果を評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後PD-L1発現機序の解明のためにパスウェイ解析を行い、関連分子について腫瘍進展のバイオマーカーの可能性について検討予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)