SNX5による甲状腺濾胞上皮細胞の機能調節機構の解明
Project/Area Number |
16K20265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
實川 純人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80706549)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 甲状腺乳頭癌 / 初期エンドソーム / TSH受容体 / TSH / 癌 / 甲状腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺乳頭癌の進行症例ではSnx5の発現が有意に低下していた。さらにSnx5欠損マウスを作成し検討すると、野生型と比較し、体重や甲状腺ホルモン値に有意な差は認めなかったが、甲状腺は肥大していた。マウス甲状腺組織を電子顕微鏡で観察すると、Snx5欠損マウス甲状腺では細胞質に不整に白く抜ける領域を多数確認した。Snx5は小胞輸送に関するタンパクのため、マウス甲状腺を用いて、各種エンドソームのマーカーをウェスタンブロッティングにて確認すると、Snx5欠損マウス甲状腺では野生型と比較し、初期エンドソームのマーカーであるEEA1、Rab5の発現が上昇していた。 続いてマウス甲状腺初代培養を用いて検討した。TSH存在下で、Snx5欠損マウス甲状腺初代培養細胞では増殖能が亢進していることが明らかとなった。そこで、TSH受容体と初期エンドソームの局在を免疫組織化学染色にて確認すると、Snx5欠損マウス甲状腺初代培養細胞において、多くのTSH受容体が初期エンドソーム上に確認できた。 in vivoでも検討すると、高TSH条件でSnx5欠損マウスは野生型よりも悪性度の高い甲状腺腫瘍を形成した。 つまりSnx5が欠損した甲状腺濾胞細胞ではTSH由来のシグナル伝達が持続的に亢進しており、エンドソームが介在するTSHのシグナル伝達機構の調節にSnx5が深く関与していることが示唆された。リガンドー膜受容体複合体を代謝するエンドソームからライソソームへの輸送機構に関して、甲状腺濾胞細胞はSnx5に大きく依存していることが判明した。したがってSnx5の機能発現が乏しい甲状腺癌はTSH等の刺激に対する反応性が高いと考えられる。Snx5の研究からTSH抑制療法の適応や予後予測に関する指標への応用が期待できると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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