Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
申請者らは、これまでの実験により、ビーグル犬顎裂モデルを用いて、顎裂部に未分化間葉系幹細胞(MSCs)を移植することにより、生理的骨代謝を有する骨再生が達成することを確認した。また、担体として用いた未焼結炭酸アパタイト顆粒(CAP)のみを移植した対照群と比較して、MSCsをCAPと共に移植した実験群の方が、CAPの吸収が早く、骨形成も早期に認められた。骨再生には、細胞を供給する血管新生が重要であることより、MSCsの血管誘導および骨誘導を解明することを目的とした。まず、血管内皮細胞(HUVEC)とMSCsとの共培養により、細胞外マトリックスの存在しない成長因子非添加の状態で、HUVECは管腔様構造を形成した。また、血管新生因子であるMSCsが産生するVascular Endothelial Growth Factor A(VEGF-A)、HUVECが産生するPlatelet Endothelial Cell Adhesion Molecule-1(PECAM-1)、Matrix Metalloproteinase-2 (MMP-2)、Matrix Metalloproteinase-9 (MMP-9) が、共培養することにより、定量PCRにおいてそれぞれ有意に増加した。次に、MSCsが破骨細胞前駆細胞(RAW264)の走化性に及ぼす影響についてBoyden chamber assayを用いて検討した結果、MSCsはRAW264の細胞走化性を亢進させた。MSCsが発現する走化性を亢進させる因子としてCCL2に着目し、その受容体であるRAW264のCCR2中和抗体を添加したところ、RAW264の細胞走化性は減少した。また、MSCsとRAW264共培養により、MSCsのCCL2の発現が亢進するとともに、RAW264のCCR2の発現が、定量PCRにおいてそれぞれ有意に増加した。
All 2016
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