Project/Area Number |
16KT0180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 特設分野 |
Research Field |
Global Studies
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
金 英花 宇都宮大学, 国際学部, コーディネーター (30742895)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 移民二世 / 第三の道 / ポルテスの理論 / 移民と階層 / 中国朝鮮族 / 階層分化 / 先行研究への検討 / 韓国調査実施 / 中国調査実施 / 日本国内調査実施 / 報告実施 / 国際移住社会学 / 朝鮮族 / 移動 / 二世教育 / 日韓比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
移動による外国人二世は韓国社会でどのような状況に置かれているだろうか、それによって社会の階層にはどのような変化をもたらしているのか、韓国社会の行政、教育はどのように対応しているのか。そもそも朝鮮族の子どもたちはなぜ移動するようになったのか。 今年度は、主に韓国での問題意識のもと、当初の研究計画通り韓国と中国での本調査を行い、データ収集と成果発表を行った。まず、9月には、約20日間の日程で韓国と中国を訪ね、主に学校現場と、公的教育機関での調査を行った。また、12月には、約5日間の日程で韓国の民間学校、コミュニティを訪ね、支援者たちの現場の声を聞かせてもらうと同時に、現地での資料収集も行った。今年の3月に入り、再度韓国に足を運び、国の傘下機関での聞き取りと、新聞社を訪ね在韓朝鮮族の全般的な変貌を聞かせてもらった。日本での調査も週末などを利用して泉学校と、宇賢学院にて参与観察を行った。これらの調査を通じて解明されたのは、かつて受け入れ政策によって送り出し地域に大量の留守児童生徒が発生したのと同じく、今度は受け入れ政策によって留守から流動する児童生徒へと変わり、韓国社会に新たな課題と対応を求めていることが分かってきた。そして、再婚や、出稼ぎの親たちからの呼び寄せなどの様々な理由から成長期の途中で入ってきた「中途入国青少年」グループがいて、彼らが韓国社会で経験する困難は日本における外国人児童生徒の課題と同じく、進学、進路などの面で大変苦労していると、将来のポスト出稼ぎとして、「下層」として韓国社会に固定化されていくことが危惧されるということも分かったきた。 今年度の成果として、所属大学と日本社会学会、日本朝鮮族研究学会で発表、または、論文投稿を行った。今年度の一番大きな成果は、予定通り調査ができたことと、大量のデータを集め、最終年度の研究と成果発表につなげたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的には、当初の計画通り調査と研究全般を進めることができた。 韓国と中国での調査がうまく進んでいることと、日本での調査がそれに比べて若干同時進行できていない点はあるものの、本調査において元々韓国と中国に力を入れると計画していて、おおむね満足している。日本でのフィールドのための人脈を広げる必要性を感じ、新たに在日本朝鮮族のコミュニティにも加入した。 内容の面では、これまでやってきた研究過程は満足しているが、それを結果としてつなげる作業がついていかないなどの研究者として改善すべきところにも気づいた。すなわち、創意性や独創性は自分でも高く評価できるが、形として広報、発信、書く能力は今後も継続的に経験を積み重ねながら訓練が必要だと自己反省を行った。そのために、下半期に入ってから、さらに自分を鍛えさせたく、日中社会学会と、日本社会学会に新規会員として加入した。 今年度は、予算の使い方にも慣れて、積極的に事務の方とも相談しながら、概ね計画通り使うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度には、日本での調査に力をいれたいと考える。韓国では、これまでのソウルとは違う釜山市へ、中国では朝鮮族の居住地である延辺を離れて、中国国内の移動先である北京と青島、華東地域まで足を延ばしたいと計画している。 専門家への諮問と、これまでの調査データをもとに、現在の所属機関、もしくは所属学会で「越境を生きる子どもたち:留守児童生徒のそのあと、そして流動するに至るまで」(暫定)、「日本における中国朝鮮族の二世教育」(暫定)などのタイトルで口頭発表、論文発表などを行い、積極的に発信し、成果につなげる。また、移民二世の日韓比較について学内、もしくは学会での発表を予定している。 9月~11月にかけて、研究成果助成を受け、是非博士論文と合体して人生初の著書を出版することに挑戦したい。12月からは、この研究助成の3年間の研究成果を、最終報告書としてまとめる。
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