分子シャペロン機能を有するナノゲルキャリアによる新規DDSの開発
Project/Area Number |
17012008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 修 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00271164)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
野村 慎一郎 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, COE特任講師 (50372446)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
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Keywords | 癌免疫療法 / サイトカイン / インターロイキン12(IL12) / ナノゲル / 分子シャペロン機能 / ドラッグデリバリーシステム / 腫瘍抑制 / 徐放 |
Research Abstract |
本研究では、これまでの知見をもとに、独自に開発した分子シャペロン機能を有する自己組織化ナノゲル複合体を用いて、癌治療における新しいDDSの設計とその応用を目的とする。悪性腫瘍に対する治療の一つとして、各種の免疫療法が従来より試みられている。このような治療においてインターロイキン12(IL-12)は、高い抗腫瘍効果を持つサイトカインの一つとして注目されている。しかしながら、サイトカインを用いた免疫療法においては、その短い半減期に示される生体内での不安定性や、大量・反復投与による副作用などが、有効な抗腫瘍効果を得るための障壁となっているのも事実である。そこで我々は、IL-12の生体内投与時における安定性を向上する目的で、コレステロール基を修飾したプルラン(CHP)よりなるヒドロゲルナノ粒子(ナノゲル)(30nm)のキャリアとしての機能に着目した。マウスrecombinant IL-12とCHPとを種々の条件下で混合し、IL-12・ナノゲル複合体微粒子を調製した。その後ELISA法にてIL-12の活性を計測し、ナノゲルとの複合化条件を検討した。調製したIL-12・ナノゲル複合体微粒子の機能を評価するために、マウスの脾臓より採取したCD4陽性T細胞をin vitroで刺激し、産生されるIFN-γをELISAで経時的に測定した。さらにin vivoでの作用を以下の実験で検討した。Balb/cマウス由来の肉腫細胞、CSA1M細胞を同系マウスの皮下に接種し、皮下腫瘍モデルマウスを作成した。これにIL-12・ナノゲル複合体微粒子を投与し、腫瘍体積の変化を計測した。 得られた結果より、IL-12はCHPナノゲルと相互作用して効率よく複合体微粒子を形成し、その後ナノゲルから生理活性を失うことなく放出できるシャペロン機能を発揮することが確認できた。またin vivo実験において、IL-12・ナノゲル複合体微粒子を6日間隔で3回という非常に少ない投与により、腫瘍の有意な増殖抑制が得られた。ナノゲル担体が優れた徐放機能を有していることがわかった。さらに、徐放性の優れた架橋ナノゲル(100-200nm)の調整法も確立した。本法は、サイトカイン免疫療法の欠点を克服するための新しいテクノロジーを切り開く可能性があると考えられる。
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Report
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Research Products
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