Project/Area Number |
17013025
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 典子 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10251448)
|
Project Period (FY) |
2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
|
Keywords | EGF受容体 / FGF受容体 / アダプター分子 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
受容体型チロシンキナーゼのFGF受容体ならびにEGF受容体は、様々な癌において過剰発現が報告され、受容体の細胞内シグナル伝達の異常な活性化は、癌の悪性化に強く関与している。私は、新しいアダプター/ドッキング分子FRS2に注目し、解析した結果、これらの分子が上記受容体のシグナル伝達に深く関わり、癌化を制御していることを見い出している。本年度は以下の結果を得た。 1.私は、FRS2alphaの機能を一部分失わせたマウスをgene targetingにより作製、解析している。そのひとつShp2結合部位欠失マウスは、大脳皮質の発生が悪い。このマウスを解析した結果、神経幹細胞の異常があることがわかった。神経幹細胞から、intermediate progenitor cellsへの分化がこのマウスではうまくいかないことがわかり、この分化のステップにFRS2alphaのShp2結合部位が必須であることがわかった。また、in vitroでFGF2存在下にneurosphereの形成能を調べると、この変異マウス由来の神経幹細胞は、小さいneurosphereしか形成できないことから、neurosphere細胞の増殖に、FRS2alpha Shp2結合部位は必須であることがわかった。 さらに、癌幹細胞の形成に、FRS2alpha Shp2結合部位が重要な役割を果たしていることが示唆される実験結果も得ており、現在解析を進めている。 2.FRS2betaは、これまでまったく知られていなかった癌抑制遺伝子としての機能があることを発見した。FRS2betaは、EGF受容体の自己リン酸化を抑制することにより、EGFのシグナル伝達をすべて抑制する。また、EGF受容体が異常に活性化している腫瘍細胞において、FRS2betaの発現が強く抑制されていることがわかった。現在さらなる解析を進めている。
|