Project/Area Number |
17013059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉野 健一 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (90280792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 紀子 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (70372662)
吉川 潮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (40150354)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | mTOR / ラパマイシン / 結節性硬化症 / GAPドメイン / Hamartin / がん抑制遺伝子 / TSC / Tuberin |
Research Abstract |
抗がん剤としての薬効が注目されている薬剤ラパマイシンの哺乳動物細胞内の標的タンパク質がmammalian Target of Rapamycin (mTOR)である。mTORはアミノ酸濃度などの細胞が活発に増殖できる環境条件を感知し、細胞成長を制御しているシステムを司る情報伝達系の中枢の分子と考えられている。 一方、遺伝性腎がんラット(Eker Rat)の原因遺伝子であり、がん抑制遺伝子の機能を有する遺伝子Tsc2の産物が、mTORを中枢としたシグナル伝達系の制御に深く関与していることが知られている。この遺伝子はヒト結節性硬化症(Tuberous Sclerosis:TSC)の原因遺伝子と相同であり、その産物TSC2は、別のTSC原因遺伝子Tsc1の産物TSC1と複合体を形成し、低分子量GTP結合タンパク質の一種Rheb(Ras Homolog Enriched in Brain)の機能調節を介し、mTORの機能を制御している。 本研究ではがん抑制遺伝子産物TSC1-TSC2複合体が関与する情報伝達機構を明らかにするために、この複合体と相互作用するタンパク質の探索を試みた。FLAGタグを付加したTSC1およびTSC2をHEK293細胞に発現させ、この複合体と特異的に共精製されるタンパク質を見出し、質量分析法を用いた解析を行ったところ、このタンパク質は約3万2千の分子量を有し、GTPase Activating Protein (GAP)ドメインを備えた機能未知タンパク質であると同定された。この分子は、FLAG-TSC2を単独で細胞内で発現させた際には共精製されないことなどから、直接のBinding PartnerはTSC1であることが示された。またその結合領域は少なくともTSC1コイルドコイル領域のC末端側881-996に限定されることを明らかにした。 本研究によって、TSC1と相互作用するGAPドメインを有した分子としてTSC2とは異なる新規タンパク質が見出され、TSC複合体を介する新たな情報伝達経路の発見につながる知見が得られたものと考える。
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