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¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Research Abstract |
高発癌性の色素性乾皮症バリアントの原因蛋白質が,損傷乗り越え型DNAポリメラーゼYファミリーに属するPolηであることから,損傷乗り越えDNA合成酵素の機能と発癌との関連が注目されている。Yファミリーに属するREV1は,error-proneのDNA修復に関与し,突然変異の誘発に重要な役割を担っている。我々は,損傷乗り越えDNA合成酵素REV1の機能と発癌との関連を調べるために以下の解析を行った。 (1)Rev1トランスジェニックマウス(Rev1マウス)の作成と発癌感受性の検討 変異原に高感度なマウスを開発する為に,Rev1を過剰発現したRev1マウスを作成した。プロモーターには,遺伝子発現の制御が可能なメタロチオネインプロモーターを用いた。各臓器でユビキタスなRev1発現を認めたマウスを用いて表現型解析を行った。T細胞を用いた放射線誘発のTCR突然変異頻度は,対照群に比べ高い傾向を認めた。化学発癌剤MNUによるリンパ腫の誘発では,対照群に比べ有意にリンパ腫発生頻度が上昇し,変異原に対し発がん高感受性マウスであることが確認された。 (2)REV1の機能解析とin vitro再構成系の確立 REV1は損傷部位に対してCを取り込む酵素であるが,加えて損傷乗り越えDNA合成経路全体を調節する第二の機能をもつことが示唆されている。生化学的解析により,REV1がssDNA結合活性をもち,ssDNAに結合したREV1はそのssDNA上をスライディングして,損傷部位にターゲティングされることを明らかにした。この性質はREV1に特異的であり,REV1の最初のターゲットがssDNAである可能性を示唆すると同時に,損傷乗り越えDNA合成経路全体を調節するREV1の第二の機能に関与する可能性がある。一方,in vitro再構成系を確立するためPolδ,PCNA,FFC,及びRPAの全ての構成蛋白を精製した。この蛋白質群をin vitroで再構成し,この系によりDNAが7kb以上合成されることを確認した。
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