発癌時におけるミトコンドリア遺伝子体細胞変異に蓄積による核遺伝子発現制御
Project/Area Number |
17013079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太田 成男 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (00125832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮戸 靖幸 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (10398878)
大澤 郁朗 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (30343586)
上村 尚美 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (60283800)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Keywords | 癌 / アポトーシス / ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 体細胞変異 / 抗癌剤 / サイブリド |
Research Abstract |
(1)癌細胞におけるミトコンドリアDNAの体細胞変異の蓄積 多くの癌組織、癌細胞のmtDNAに体細胞変異が蓄積していることが明らかにされている。しかし、この体細胞変異の蓄積が、癌の形成過程の二次的結果として生じているのか、癌形成の原因のひとつとして、癌の促進に関与したために変異mtDNAをもつ癌細胞が多くなったのか、明らかではなかった。 (2)サイブリドを用いたmtDNAの役割の研究 細胞には核ゲノムとミトコンドリアゲノムが共存しているので、mtDNAの役割を明らかにするためには、核が共通でmtDNAだけが異なる細胞を比較しなければならない。そこで、mtDNAを消失しているHeLa細胞と脱核した細胞質を融合し、核が共通で正常mtDNAをもつ細胞と変異mtDNAをもつ細胞を作製した。この融合細胞を細胞質の融合であるのでサイブリド(cybrid)と呼ぶ。このサイブリドを用いて、mtDNAの癌の増殖速度へ対する効果とアポトーシ耐性効果、抗癌剤への耐性効果を調べた。 (3)癌の増殖に対する変異mtDNAの効果 変異mtDNAを持つサイブリド細胞と正常mtDNAもつサイブリド細胞をヌードマウスに移植すると、移植直後からの腫瘍体積の増加が正常mtDNAをもつサイブリド細胞より速く、mtDNA変異が癌増殖促進に寄与していることが示された。変異mtDNAをもつサイブリドでは、自発的におきるアポトーシス頻度が低下しており、アポトーシスの頻度の低下が見かけ上の増殖促進に寄与していることが示唆された。 (4)抗癌剤へ対する耐性獲得とmtDNA変異 mtDNA変異によってアポトーシスが抑制されたので、抗癌剤への耐性へのmtDNAの役割をサイブリドを用いて解析した。変異mtDNAをもつサイブリドは正常mtDNAをもつサイブリドよりも抗癌剤耐性であった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)