C型肝炎ウイルスによる遺伝子変異蓄積及び細胞不死化機序の解析
Project/Area Number |
17013095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小原 道法 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10250218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
習田 昌裕 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10356256)
安井 文彦 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40399473)
米川 博通 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (30142110)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥8,100,000 (Direct Cost: ¥8,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥8,100,000 (Direct Cost: ¥8,100,000)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 肝がん / 持続感染複製 / WRN蛋白質 / p53蛋白質 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)は宿主遺伝子に組み込まれる事なく持続感染し、高率に肝がんを発症する。肝細胞癌では染色体の増加、減少、切断などが観察され、その原因としてHCVの持続感染複製が遺伝子変異の誘導、異常修復による挿入や欠失の蓄積等を介してゲノム不安定化を惹起していると考えられる。そこでHCVの慢性感染が、不死化〜発癌初期に宿主細胞に持続的なDNA障害を惹起し、WRNなどのDNA修復系の阻害による遺伝子変異の蓄積の及び細胞周期異常の誘導により不死化にいたる可能性について解析した。 HCV遺伝子発現に伴ってAP siteが顕著に誘導されることを見いだした。HCVコア蛋白質の発現細胞において、カンプトテシンにより誘導したDNA障害の修復が遅延化する事をコメットアッセイにより明らかにした。また、HCV全長遺伝子発現細胞において、遺伝子不安定化との関連が示されているWerner Syndromeの原因遺伝子、WRNヘリカーゼ蛋白質の発現が抑制されている事を見出した。特にコア蛋白質の発現細胞において、WRNヘリカーゼの蛋白質発現が抑制される事を明らかにした。HCVがコードするコア蛋白質によるWRNヘリカーゼの発現抑制が、DNA修復の遅延化に関与する事が示唆され、現在WRNヘリカーゼの発現抑制のメカニズム、発現回復に伴う修復遅延化への影響を解析中である。さらに、HCVの慢性感染による細胞の遺伝子傷害の誘導からゲノム不安定化を経て発癌に至る過程の分子機構の解明を目指して研究を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)