大腸癌肝転移形成におけるレクチンを介する接着と増殖の制御
Project/Area Number |
17014027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入村 達郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80092146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 明彦 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70288512)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥6,700,000 (Direct Cost: ¥6,700,000)
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Keywords | 肝転移 / レクチン / 大腸癌 / ASGRP |
Research Abstract |
癌を治療せずに放置するとあるいは発見が遅れると転移する。多くの癌で転移、特に最初に起こる転移は臓器特異的であり、大腸癌、胃癌などの消化器癌では肝臓が特異的な高発部位である。転移の臓器特異性を規定する因子として、ケモカイン、増殖因子などの他に、臓器環境を形成する細胞との直接の相互作用が考えられる。本研究では肝臓実質細胞表面に発現するレクチンであるASGPRの肝転移への関与をヒトの胃癌と大腸癌及びマウス大腸癌において示し、それらの知見を治療に応用することを目指した。マウス大腸癌colon38細胞の肝臓への実験的な転移において、C型レクチンであるアシアロ糖蛋白質レセプター(ASGPR)ノックアウトマウスでは転移性が低い事が確認され、宿主側におけるASGPRが転移に決定的な役割を果たすことが明らかであった。そこで本年度には以下の研究を行い、成果を得た。(1)マウスASGPRのリコンビナント体を作製し、これを固相化したところマウス大腸癌colon38細胞の強く接着し、これに伴って増殖が促進することを観察した。(2)同モデルを用いて、マウスに大腸癌細胞を移植する前後にガラクトースを静脈内投与することにより、肝転移形成が抑制されることを示した。この方法は、手術前後の補助療法として有望である。(3)マウスASGPRのリコンビナント体を固相化し多アフィニティークロマトグラフィーによって、colon38細胞由来のASGPR結合糖蛋白質分子を同定した。この分子は肝転移しやすさのマーカーとなる可能性がある。(4)ヒト胃癌細胞においてヒトASGPRのリコンビナント体を作製し、これがヒト胃癌組織の特定の細胞に強い結合性を有することを明らかにした。(5)ヒト胃癌細胞からASGPRを用いた細胞ソーティングにより、ASGPR結合性の高い亜集団の選別に成功した。転移性やその他の性質を検証中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)