Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
がん細胞の分化・極性の制御に関わる増殖因子受容体のシグナル伝達および細胞内局在について解析し、以下の結果を得た。1.がん細胞の分化制御の機構を理解するためには、G1期での細胞周期の停止のメカニズムを明らかにすることが重要である。 HGFはその受容体c-Metを介して肝がん由来細胞株HepG2に作用し、細胞周期をG1期で停止することにより増殖を抑制する。このG1期での細胞周期の停止にはCdkインヒビターp16の発現上昇が必要である。 P16の発現制御には転写因子Etsが重要であることから、本研究ではEtsの活性化を負に制御する因子であるId1の解析を行った。 HepG2細胞ではId1の発現が高い状態にあり、HGF刺激により発現が減少した。またId1の過剰発現によりHGF刺激によるp16の発現上昇が抑制された。さらにId1をノックダウンした細胞ではp16の発現上昇はみられなかったが、同時にEtsのリン酸化を促進するとp16の発現が上昇した。これらの結果から、HGF刺激によるp16の発現上昇にはId1の発現減少が必要であることが明らかになった。2.がん細胞における極性の変化と増殖因子受容体の局在は密接に関係し、その局在にはユビキチン化が重要である。本研究ではEGF受容体のユビキチン化レベルを抑制している脱ユビキチン化酵素UBPYについて活性調節機構を解析した。UBPYと共免疫沈降する蛋白質を探索したところ、14-3-3蛋白質が同定された。In vitroにおけるUBPYの脱ユビキチン化活性は、過剰の14-3-3を加えることにより抑制された。さらに14-3-3と結合できない変異型UBPYを過剰発現した細胞におけるEGF受容体のユビキチン化レベルが野生型UBPYに比べて減少した。これらの結果はUBPYの脱ユビキチン化酵素活性は14-3-3により抑制されていることを示している。
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