Project/Area Number |
17014049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 裕教 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (50303847)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
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Keywords | Rho / 細胞運動 / 低分子量G蛋白質 / インテグリン |
Research Abstract |
がん細胞の浸潤・転移に深く関連のある細胞接着や運動に関して、Rhoファミリーの低分子量G蛋白質の関与がこれまでにも数多く報告されている。最近Dock180に代表される、新しいタイプのRhoファミリーG蛋白質活性化因子(Dockファミリー)の存在が明らかになった。本研究では、我々が新しく見出したDock180の活性制御メカニズムがインテグリンによる細胞の接着や運動に関与しているか否かを調べる目的で、RNA干渉によりRhoGの発現を特異的に抑制させたHeLa細胞を樹立し解析を行った。具体的にはヒトRhoGを特異的にノックダウンさせる短いヘアピン構造のRNAを発現することができるベクターをHeLa細胞に導入し、安定にそのヘアピン構造のRNAを発現する細胞を樹立した。合わせてコントロールの短いヘアピン構造のRNAを安定に発現することができる細胞も樹立し、コントロール細胞として用いた。これらの細胞をファイブロネクチンでコートした培養皿上にまいたところ、親細胞やコントロールの細胞では15分後に細胞膜の伸展とラッフリングの形成が見られたが、RhoGノックダウン細胞ではそれらの形成が抑制されていた。次に細胞運動への影響を、Wound healing assay及びTranswell assayの2通りの系で調べてみたところ、どちらの系においてもRhoGノックダウン細胞はその運動能が有意に抑制されていることが確認された。特にWound healing assayの系においては、細胞が運動する方向の先端に作られるラメリポディアの形成及び細胞内のRac1の活性が有意に抑制されていることが観察された。一方RhoGノックダウン細胞における運動能の低下は、ELMOとDock180を過剰発現することにより回復した。以上の結果から、活性化されたRhoGがELMO-Dock180複合体を細胞膜へと移行させ、そこでRacを活性化して細胞膜のラッフリングとそれに伴って起こる膜の伸展が起こり、細胞の接着や運動を促進することが明らかになった。
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