ADAM28のヒト乳癌組織での発現と癌細胞の増殖・運動・浸潤への関与
Project/Area Number |
17014079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 早月 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80365428)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Keywords | ADAMプロテアーゼ / マトリックスメタロプロテーゼ / 乳癌 / 細胞増殖 / IGF-I / IGFBP-3 |
Research Abstract |
本研究に関連して、ヒト肺癌においてADAM28が特異的高発現することを明らかにしてきた。そこで本研究においては、ヒト乳癌組織と乳癌細胞株におけるADAM28の発現と局在を明らかにするとともに、in vitroとin vivoにおいてADAM28が乳癌細胞の増殖にどのように関わるか検討を行った。 RT-PCRと定量PCRにより、ヒト浸潤性乳癌では分泌型ADAM28と膜型ADAM28が選択的に高発現し、非癌部乳腺組織では発現が認められなかった。また、in situ hybridizationや免疫組織染色の結果から、ADAM28は癌細胞特異的に染色された。イムノブロット法では、乳癌組織でADAM28は活性型で存在していた。さらに、ADAM28高発現乳癌細胞株(MDA-MB231)のIGF-I誘導の細胞増殖作用、IGFBP-3の分解、IGF type I receptor(IGF-IR)のリン酸化とERK1/2のリン酸化は、抗ADAM28抗体や合成ADAMインヒビター(KB-R7785)の処理やADAM28のsiRNAにより抑制されたがADAM28低発現乳癌細胞株(MCF-7)において影響はなかった。また、乳癌組織をKB-R7785や抗ADAM28抗体存在下で培養した結果、IGFBP-3の分解が抑制された。MDA-MB231細胞をマウスの皮下に移植したマウス担癌実験モデルにおいて、ADAM28 siRNA/cationic cardiolipin analogue complexの投与により、腫瘍の増殖が有意に抑制された。これらのことから、乳癌細胞に高発現したADAM28がIGFBP-3を切断することにより、IGF-I/IGFBP-3複合体から遊離したIGF-IがIGF-IRのリン酸化やERK1/2のリン酸化を介して乳癌細胞増殖を促進している可能性が示唆された(投稿中)。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)