Actinin-4によるアクチン細胞骨格の制御とがんの浸潤・転移の分子機構の解明
Project/Area Number |
17014087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
山田 哲司 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 化学療法部, 部長 (30221659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 一文 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 化学療法部, 室長 (10260936)
下重 美紀 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 化学療法部, 研究員 (00392340)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 大腸がん / 転移 / アクチン結合タンパク質 / Actinin-4 / 細胞運動 / β-catenin / E-cadherin / pre-mRNA splicing |
Research Abstract |
アクチン結合タンパク質はアクチン細胞骨格を直接ダイナミックに制御し、細胞の形態、接着、運動などを制御することが知られている。大腸がん細胞は正常粘膜上皮に比ベアクチン結合タンパク質actinin-4の発現が亢進し、特に浸潤先進部においてその発現の亢進が著しく認められることから、actinin-4の発現は大腸がんの発生と進展に関わっている可能性が考えられる。テトラサイクリン誘導システムを用いactinin-4の発現を誘導したところ、filopodiaやlamellipodiaといった細胞突起が顕著に形成され、さらに細胞運動能が亢進することが分かった。SCIDマウスを用いた同所移植実験モデルでは、actinin-4発現細胞移植群が対象群に比べ、統計学的に有意な差をもって所属リンパ節転移がみられた。 免疫沈降法と質量分析によりactinin-4は大腸発がんに関わるがん遺伝子産物β-cateninと、E-cadherinを発現していない大腸がん細胞で、相互作用をすることを見出した。この相互作用はE-cadherinの存在に依存していることを明らかにした。一方大腸発がんに関わるβ-cateninが核内でがん原遺伝子FUS(fusion)等のRNA結合タンパク質やPARP1 (Poly(ADP-ribose) polymerase-1)とも相互作用し、β-cateninが従来より知られている細胞間接着や遺伝子転写制御といった機能以外に、pre-mRNA splicingやDNA損傷修復などにも関わることが明らかとなった。さらにlamininなどの細胞外基質からの刺激によりactinin-4とβ-cateninの核内での分布が一致するようになることから、両者の相互作用が未知の機能を担う可能性もあると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)