チロシンキナーゼ阻害剤の感受性を予測するサロゲートマーカーの確立
Project/Area Number |
17015021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清井 仁 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90314004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 章裕 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80378215)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Keywords | 遺伝子 / シグナル伝達 / 薬剤反応性 / 白血病 / 分子標的療法 |
Research Abstract |
本研究においでは、白血病に対するチロシンキナーゼ阻害剤の感受性を規定するサロゲートマーカーを同定し、かつ、臨床検体を用いて簡便・迅速に施行可能な検査系の確立を目的とした。 中でも、我々が新規に開発したFLT3阻害剤を中心に検討を進めた。活性型FLT3変異を有するヒト白血病細胞株および臨床検体において、恒常的にSTAT5分子はリン酸化しており、このリン酸化状態は、抗リン酸化STAT5単クローン抗体によりウエスタンブロットのみならずフローサイトメーター(FCM)によっても定量化活性化可能であった。これら細胞株、臨床検体をFLT3阻害剤で1時間処理後、STAT5のリン酸化レベルの変化をFCMで定量化したところ、その減少率は細胞増殖抑制阻害作用と相関し、阻害剤の感受性を簡便・迅速に予測しうる事を明らかにした。更に、BCR/ABL陽性白血病細胞株やKITの活性化を示す細胞株においても、ABL阻害剤、KIT阻害剤で同様の検討を行うことにより、本検査系が有用であることを確認し、チロシンキナーゼ阻害剤の感受性を予測する上でSTAT5のリン酸化状態の変化は有力なサロゲートマーカーであることを明らかにした。しかし、臨床検体を用いた解析の中で、阻害剤単剤ではSTAT5リン酸化レベルの低下が不充分で増殖抑制効果も部分的であっても、他の異なるキナーゼ阻害プロフィールを有する阻害剤を添加することにより充分な増殖抑制効果を示す症例が存在する事を見出した。この結果は、白血病の治癒を得る上で、併用療法の必要性を強く示唆するものである。 また、FLT3遺伝子変異の有無により白血病細胞におけるcKIT遺伝子や細胞の分化に関係するPU.1、C/EBPαの発現量を層別化してみると、多様な発現様式を示すと同時に一定度の傾向を示すことが明らかとなり、これらを組み合わせることにより、併用療法の選択における層別化の可能性を認識するに至り、更なる検討を加えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)