ホルモン依存性がんにおける新規がん治療の分子標的同定とその臨床応用
Project/Area Number |
17016022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40251251)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
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Keywords | 乳がん / 前立腺がん / 核内受容体 / エストロゲン / ユビキチンリガーゼ |
Research Abstract |
本研究は、ホルモン依存性がんの発がん、増殖の分子機構の解明とその診断・治療への臨床応用をめざし、1)ホルモン依存性がんにおける性ホルモンの下流に存在する標的因子群の性状を分子レベルで解明し、2)遺伝子改変動物とがんへの遺伝子導入を用いてin vivoでの解析によりそのがんにおける役割を明らかにし、3)それらを分子標的として遺伝子治療、分子標的薬、早期診断への応用を計ることを目的とする。本研究で、性ホルモン標的因子を申請者が考案したgenomic binding-site cloning(GBS)法とDNAチップを応用し複数同定した。それら性ホルモン標的遺伝子の機能解析として、特にRINGフィンガーをもつEfpと一回膜貫通蛋白であるEBAG9に注目した。Efpは、負の細胞周期制御因子14-3-3σに対してユビキチンリガーゼとして働き、細胞増殖に関わる。いくつかのがん細胞の腫瘍形成モデルに対してEfpの抑制は縮小効果を示した。さらに、ホルモン不応性乳がんモデルもしくはその他のホルモン依存性がんにおいても、Efpが重要な役割を演じ、新しいがん治療の分子標的となりうることを、アデノウイルスベクターによる遺伝子治療モデルを用いて検証し、創薬と遺伝子治療への応用が期待された。一方、EBAG9に関しては、各種のホルモン依存性がんで高発現し、予後と関連することを明らかにし、その腫瘍における役割をin vivoで示した。さらに、腫瘍移植動物モデルにおいて、EBAG9のがん治療における分子標的としての意義を示唆した。このようにホルモン依存性がんの分子標的として、独自に同定した二つの分子EfpとEBAG9に関して、がんの新しい治療法と、診断法への応用の可能性を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)