新規NK細胞レセプターと腫瘍リガンドの解明による抗腫瘍免疫療法の開発
Project/Area Number |
17016046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白鳥 行大 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90379090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒瀬 尚 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10261900)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | NK細胞受容体 / PILR / PILR-L / CD200レセプター / 抗腫瘍免疫療法 / 自然免疫 |
Research Abstract |
<目的> 現在、癌免疫療法の有効な手段の一つとして癌ペプチド療法が注目されている。癌ペプチド療法ではMHC class Iに提示した癌ペプチド抗原を用いて、腫瘍特異的なCTLを誘導するが、それ故、欠点としてMHC class Iを発現する腫瘍細胞に効果が限定される。そこで、本研究では、我々が開発してきたいくつかの新たな遺伝子クローニングシステムを用いて、NK細胞による腫瘍細胞認識機構を解明し、新たな抗腫瘍免疫治療法の開発を目的とした。 <成果> 我々は活性化NK細胞レセプターを特異的にスクリーニングするFlag-trap法を用いて、新規活性化NK細胞レセプターであるPILRや活性化CD200レセプターをクローニングした。さらに、非常に高い親和性を示す12量体Igキメラ分子を活性化PILRで作製し、腫瘍細胞株を対象にリガンドのスクリーニングを試みた。その結果、T細胞リンパ腫であるEL-4のcDNAライブラリーより新規膜分子PILR-L1を同定し、活性化PILRを発現するNK細胞はPILR-L1を発現する腫瘍細胞に対し特異的な細胞傷害活性を示すことを明らかにした。さらに、活性化PILRの12量体Igキメラ分子では認識されるが、PILR-L1の発現が認められないB16メラノーマのcDNAライブラリーより新規膜分子であるPILR-L2をクローニングした。PILR-L2は正常細胞での発現が全く認められず、腫瘍細胞特異的なリガンドである可能性が高いと考えられた。またPILR-L2にはアミノ酸レベルで80%強の相同性を示すヒトホモログが存在し、実際にヒトPILRによって認識された。一方、抑制化PILRのみに認識される新たなヒトPILRリガンドも同定し、腫瘍細胞の免疫逃避機構に関与していると考えられた。従って、活性化PILRは腫瘍細胞を認識する強力な活性化レセプターである一方、抑制化PILRは腫瘍細胞の免疫逃避機構に利用されている可能性が明らかになった。さらに、カポジ肉腫の原因ウイルスであるKSHVのCD200様分子が、ヒト好塩基球が発現している抑制化CD200レセプターを介して好塩基球の機能を特異的に阻害していることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)