細胞周期抑制因子p27の分解阻害による癌治療への応用
Project/Area Number |
17016054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嘉村 巧 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40333455)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
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Keywords | がん治療 / タンパク質分解 / 細胞周期 |
Research Abstract |
細胞周期制御機構の破綻は癌細胞の無限増殖メカニズムの中核をなすと考えられている。細胞増殖は複数の段階で制御されているが、中でもG1期からS期への進行をコントロールするG1サイクリン依存性キナーゼ(G1-CDK)がその中心的役割を果たしている。G1-CDKの活性はその阻害タンパク質(CKI)によって制御されているが、予後不良の乳癌、大腸癌、肺癌や胃癌においてCKIであるp27の分解活性が異常亢進していることが明らかになっている。われわれは細胞周期制御因子p27の分解に関する研究を行ってきている。p27はSCF^<Skp2>複合体により分解されると報告されていたがSkp2ノックアウトマウスの解析により、SCF^<Skp2>複合体によるp27の分解は主にS期以降で起こり、実はG_0-G_1期におけるp27の分解には他の経路が関与し、更に10番目のセリンリン酸化による核外移行が重要であることを明らかにした。最近、p27の分解に関わる新規ユビキチンリガーゼ、KPC複合体を生化学的手法で分離・同定した。われわれは既に培養細胞中で実際にKPCがp27の分解に関与していることを確認している。KPCは、KPC1とKPC2の2量体からなっているが、それぞれのp27に対するユビキチン依存性分解への役割を調べた結果、KPC1がp27と結合しユビキチン化する役割を、そしてKPC2がユビキチン化されたp27をプロテアソームに運ぶ役割を担っていることを明らかにした。さらに詳細を詰めているところである。癌細胞では特にG1期におけるp27の分解が亢進しているが、このKPC複合体による分解に抵抗性のp27の分子デザイン、あるいはKPC複合体の活性を阻害する低分子化合物の同定ができれば、全く新しい作用機序に基づく抗がん剤の開発につながることが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)