難治がんの克服を目標とした腫瘍新生血管標的化DDSに関する包括的研究
Project/Area Number |
17016064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
奥 直人 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10167322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 知浩 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (00381731)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
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Keywords | 腫瘍新生血管傷害療法 / 薬物送達システム / リポソーム / 膵がんモデル / 血管新生 / 標的化 / 2D-DIGE / がん治療 |
Research Abstract |
「腫瘍新生血管標的化リポソーム(neovascular-targeted liposomes ; NVTLs)に関する研究」を新展開させ、難治がんの克服を目標とした独創的かつ実用的なDDSの確立を目的に研究を行った。難知がんとしては、有効な治療法がない膵がんを対象とした。膵がんは血管密度が低く、「EPR効果を利用したDDS」の効果は出にくいとされる。しかし、抗がん剤を封入したNVTLsの主な作用機序は新生血管破壊であり、有効性を示すことが考えられる。まずNVTLsの効果を正確に判断するため、ヒト膵がん細胞をヌードマウス膵尾部に移植した同所移植モデルを作成した。そして皮下移植モデルとの腫瘍中血管密度の差異を明らかにする目的で、組織免疫染色を行ったところ、同所移植モデルにおいて明らかに血管形成の低下が観察された。これにより、本モデルはヒトの膵がんの特徴である血管密度が低い状況にあることが明らかとなった。次に抗がん剤安定内封新生血管標的化リポソームを用い、治療実験を行ったところ、難知がんである膵がんモデルにおいても腫瘍新生血管傷害療法の有用性が実証された。さらに本リポソーム製剤に血管新生阻害剤であるSU1498を内封しC26NL17(マウス大腸がん細胞)担がんマウスを用いた治療実験を行い、血管新生抑制による制がん作用にも本リポソームが有効であることが判明した。またあらたな新生血管内費細胞の標的分子を探索するため、ヒト臍帯内皮細胞を用いてVEGF刺激と未刺激でのディファレンシャル2D-DIGEを行い、数十におよぶ発現変動タンパク質を同定することに成功した。さらにこのうち、膜画分のディファレンシャル解析で明らかにしたタンパク質について、その血管新生に及ぼす作用について現在、解析を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)