抗がん剤耐性の克服と機能性SNPを基盤としたがん化学療法の戦略
Project/Area Number |
17016069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
杉本 芳一 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (10179161)
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Project Period (FY) |
2005 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
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Keywords | ABC transporter / ABCG2 / BCRP / estrogen / flavonoid / gefitinib / irinotecan / SNP |
Research Abstract |
BCRP(ABCG2)はirinotecan、mitoxantrone、topotecanなどの抗癌剤の耐性に関与するABC輸送体である。我々は、BCRPがS-S結合を介したホモ2量体として存在することを明らかにし、Cysteine-scanning mutagenesisによりBCRPの細胞外領域のCys-603がこのホモ2量体化に重要であることを示した。我々は種々のestrogenがBCRPによる抗癌剤耐性を克服することを明らかにしているが、更にBCRP阻害作用を持つ種々のsteroid化合物やflavonoidを見出した。最もBCRP阻害作用の強いflavonoidは10nM以下で耐性克服作用を示した。BCRPはgenisteinをそのままの形で輸送した。EGFRのtyrosine kinase阻害剤であるgefitinibがBCRPの基質となることを示した。EGFRに変異を持ちgefitinibに高感受性なヒト肺癌細胞にBCRP遺伝子を導入すると、gefitinibに耐性を獲得した。また、この細胞ではgefitinibの細胞内取り込みが低下していた。estrogenがBCRP mRNAの発現低下を介さずにBCRPタンパクの発現を低下させることを見出した。estrogen受容体を発現してestrogen依存性に増殖するヒト乳がん細胞MCF-7では、100pMのestradiol処理によりBCRPの発現が約10分の1に低下した。Estrogenは、MCF-7細胞にHaMycBCRPレトロウイルスを導入して作成したMCF-7/BCRP細胞の外来性のBCRPの発現も抑制した。このBCRP発現低下はestrogenの活性依存的であり、estrone、diethylstilbestrolは同様の発現抑制効果を示したが、tamoxifenはこの反応に拮抗的に働いた。またこのBCRP発現低下はEstrogen受容体依存的であり、Estrogen受容体のsiRNAにより発現低下がキャンセルされた。EstrogenはBCRP mRNAの発現レベルには影響しなかった。阻害剤、SNP、タンパク発現の抑制など、種々の機序による生体内でのBCRPの活性の低下は、irinotecan、gefitinibなどを用いたがん化学療法における効果と副作用の発現に大きな影響を与えると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)