生体における組織特異的選択的スプライシング制御機構の解明
Project/Area Number |
17017016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒柳 秀人 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 講師 (30323702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (10208423)
廣瀬 哲郎 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 客員助教授 (30273220)
福原 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20359673)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 選択的スプライシング / 線虫 / GFP / 組織特異性 / 変異体 / レポーター / RNA結合タンパク質 / RNAプロセッシング |
Research Abstract |
線虫の相互排他的エクソンの発現をモニターするためのミニ・ジーンを作製した。このミニ・ジーンを普遍的発現プロモータで全身に発現させたところ、それぞれの組織はどちらかあるいは双方を発現していた。各種の組織特異的プロモータを用いて同じミニ・ジーンを発現させたところ、普遍的プロモータのときと同様、筋肉系はエクソン5A、神経系・上皮系はエクソン5Bという組織特異的エクソン選択性の違いが確認され、組織特異性を示すことが判明した。組織特異性を示すために必要なシス・エレメントを同定するために、エクソン領域の欠失や点変異の導入を行い、エクソン5B上の配列がエクソン5Bの選択に必要でないこと、一方イントロン4上のGCAUGを含む配列がエクソン5Aを選択するために必要であることが明らかとなり、このレポーター系によってシス・エレメントを探索できることが示された。組織特異性を制御するトランスの因子を探索するために、体壁筋特異的myo-3プロモータ制御下でエクソン5A-RFPを優勢に発現するレポーター線虫にEMSで突然変異を誘導し、GFPの発現が強まることを指標に、ワーム・ソーターを使用して、体壁筋におけるエクソン選択性が変化する変異体の単離を試みた。その結果、およそ5万ゲノムのスクリーニングにより約30株の独立の変異体が得られた。これらの変異体の表現型の分類、染色体マッピングおよび相補性試験の結果、少なくとも4つの遺伝子座が存在することが判明した。得られた変異体について、snip-SNPs法によるマッピングを進めて、これまでに3つの遺伝子座について遺伝子を同定した。うち1つは新規のRNA結合タンパク質をコードし、alternative-splicing-defective-1(asd-1)と命名した。asd-1が線虫の他の既知のRNA結合タンパク質の1つと高い配列相同性を有していることから、これらの二重変異体を作製したところ、体壁筋におけるレポーターの発現は完全にエクソン5B優位となることがわかった。また、これらのRNA結合タンパク質はイントロン4上に見出されたシス・エレメントに試験管内で特異的に結合することも確認された。さらに、二重変異体では、内在性の遺伝子のエクソン選択性もレポーター同様にエクソン5B優位に変化していることが見出された。これらのことから、ASD-1とそのファミリーのRNA結合タンパク質が協調してレポーターおよび内在性遺伝子の相互排他的エクソンの選択性を制御していることが確認された。以上の結果から、レポーターによる選択的スプライシングの選択性のモニター線虫により、選択性の制御機構を解析できることが示された。
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