Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
|
Research Abstract |
CE-MSにより,枯草菌中から1,692の代謝物質の検出に成功したが、成分名を同定した物質は10%にすぎなかった。原因は代謝標準物質が入手できないからである。 本年度は、大腸菌から検出された未知物質の同定法を開発した。まず1)CE-TOFMSで得られた精密質量(ミリマス)から組成式候補を決定する方法を開発した。2)次に開発したCE-Q-TOFMSで得られたMS/MSスペクトルから構造式を推定する方法も検討した。すでに500以上の標準物質についてのMS/MSスペクトルを採取しており、MSで各物質が断片化されるメカニズムや法則性の解明に着手した。これによって,MS/MSスペクトルに出現したピークの化学組成式を10ppmの誤差でほぼ一義的に決定することが可能になった.これらの測定に基づいて,約68MS/MSスペクトルについて開裂機構(スキーム)を作成し,化学構造式と開裂機構に関する経験則を導いた.また,ESI/MSデータベース作成の一環として,MS/MSピーク値をExel形式に変換し,ピークの差分で簡易検索するためのツールを作成した.これは,例えば,アンモニアが中性分子として脱離する化学構造式を網羅的に検索することができ,化学構造とスペクトルとの関係を調べるのには極めて有用である,と期待される.さらに3)CE-MSで実測された物質の検出時間データを用い、人工知能技術(ニューラルネットワーク)を用いてCE-MSの検出時間を予想する方法を学習させ、KEGGにある10,500化合物のCE-MSの検出時間を予想した。今後、上記の三種類の方法で得られた組成式、構造式、検出時間情報に基づき、KEGGデータベースにある化合物から未知物質を特定し、それを代謝経路にマzツプし、代謝経路を推定する予定である。
|