Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Research Abstract |
細胞現象を担う個々の分子の機能は明らかになりつつあるが,既存の研究手法の組み合わせだけでは,生命の全体像を捉えることは難しい。生命をシステムとして理解することを可能にする新しい方法論の開発が急務である。例えば,複数の分子が協同してはたらくネットワークを分解して,再構成して理解する学際的な研究手法が必要である。これを可能にする要素技術を確立するため,ケージド化合物の化学を活用して,時期および細胞(組織)特異的に細胞現象を制御する技術の開発を目指して研究を行った。ペプチド核酸(PNA)は,DNAの糖-リン酸骨格を(2-アミノエチル)グリシンに置換した核酸類似体である。PNAは,DNAやRNAとの相補鎖形成において高い親和性と特異性を持ち,アンチセンス試薬として適している。また,細胞核内に侵入してターゲットのdsDNAと結合し,転写を抑制することも報告されている。そこで,生きた細胞内で遺伝子発現を光制御することを目指し,PNAの核酸塩基部分に光分解性保護基を導入したcaged PNAを合成し,そのアンチセンス効果を光制御する可能性を検討した。まず,光分解性保護基であるBmcmoc基をシトシンに導入してケージドPNAモノマー(C^<Bmcmoc>)とし,16-merのcaged PNA(H_2N-TTCTCTTC^<Bmcmoc>CTTCTCT-Gly-COOH)を合成した。合成したcaged PNAとDNAとの親和性を,3本鎖形成に伴うゲルシフトとTm値の測定で評価した。その結果,1個のBmcmoc基の導入でTm値は10℃低下し,3本鎖形成も阻害されることがわかった。また,PNAによるPCR clampingもBmcmoc基の導入によって阻害され,caged PNAが存在してもテンプレートDNAの増幅はほとんど影響されなかった。
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