Project/Area Number |
17018014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
田辺 秀之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (50261178)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | 染色体テリトリー / 相対核内配置 / ゲノム進化 / 転座染色体 / 3D-FISH法 / 霊長類 / 生体分子 / 蛍光観察 |
Research Abstract |
本研究は、霊長類各種の染色体テリトリーの相対核内配置をゲノムワイドなスケールで調べることにより、進化的な染色体再編成により生じた転座染色体の生成機構がどのように制御されているのか、相対核内配置と種分化との関わりを「3次元核内環境」という視点から明らかにすることを目的とする。具体的には、ヒトの系統のみで染色体融合が生じたと考えられるヒト2番染色体と大型類人猿の2本のアクロセントリック染色体ホモログに着目して種間比較を行い、ヒト2番染色体の短腕(2p)および長腕(2q)領域をプローブとした3D-FISH法により相対核内配置を調べた。霊長類血液サンプルの収集は、京都大学霊長類研究所の共同利用研究を通じて実施し、以下の霊長類各種より、末梢血リンパ球の3D細胞核スライド標本を作製した。チンパンジー、アジルテナガザル、ニホンザル、カニクイザル、アカゲザル、タイワンザル、マントヒヒ、アフリカミドリザルの計8種。このうち、ヒト、チンパンジー、ニホンザルの3種において、ヒト2p、2q領域をプローブとした3D-FISH法を行い、各プローブの蛍光重心間の平均距離および染色体テリトリー表面間の最短距離を細胞核計測プログラムを用いて計測した。その結果、ニホンザルでは両ホモログが互いに近接している頻度は低いが、チンパンジーでは少なくとも一組のヒト2p、2qの両ホモログ同士が互いに高頻度に近接する結果となった。このことより、進化的な染色体再編成が生じている近縁種間での染色体ホモログ領域は、互いに相対核内配置が近接している傾向を示す可能性を持つものと考えられた。今後比較種類数を増やしてさらに検討を進める必要がある。また、生細胞における染色体テリトリーのダイナミクスを調べる目的で、ヒストンH2B-EGFPを発現させたアフリカミドリザル腎臓由来上皮系のVero細胞を作成し、生細胞蛍光観察条件の検討を行った。
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