Project/Area Number |
17018024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小柳 光正 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30379276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久冨 修 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60231544)
徳永 史生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025452)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 光受容システム / オプシン / 進化 / カイメン / ハエトリグモ / ナメクジウオ / photoreception / 色覚 |
Research Abstract |
本研究は、光受容システムという、ほとんど全ての動物が持つ機能に注目し、このシステムが動物進化の過程でどのように進化、多様化したのかを分子レベルで明らかにすることを目指している。特に本研究では、原始的な動物である海綿動物と腔腸動物を用いて光受容システムの起源を、クモ類を用いて光受容システムの多様性(色覚)を配列解析と実験を組み合わせて調べる。 1.光受容システムの起源の探索については、一昨年から行ってきた予備調査の成果として、これまで採取困難であった走光性を持つクロイソカイメン(海綿動物)の幼生とレンズ眼を持つアンドンクラゲ(腔腸動物)から、質・量とも分子生物学実験に堪えるRNAの調整に成功した。これまでにアンドンクラゲからオプシンを、クロイソカイメンからは、オプシンではなく別のタイプの光受容蛋白質、クリプトクロームの単離に成功した。これらの生体内局在や駆動するシグナル伝達系の同定のために特異的抗体の作製を開始した。 2.色覚の分子メカニズムの多様性研究に関しては、4色性色覚を持つとされるハエトリグモから4種類のオプシンの単離に成功した。分子系統解析の結果、節足動物門における色覚の進化のパターンとして、まず現存の節足動物の共通祖先の段階ですでに二色性の色覚を持っており、その後、昆虫類、クモ類それぞれの系統でオプシンのレパートリーが増え、今日の高度に発達した色覚が独立に進化したことが示唆された。また、波長制御に関与するアミノ酸残基の比較解析により、節足動物のUV視の起源が節足動物の祖先までさかのぼることが示唆された(論文投稿中)。脊椎動物、昆虫類とは異なるハエトリグモ独自の色覚メカニズムを明らかにするために、ハエトリグモの特殊な網膜における各オプシンの分布の解析を開始した。 3.昆虫類や硬骨魚類のゲノム中に、機能未知のオプシンを多数見出した。これらの機能解析を行うためにオプシンの単離を行った。
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