Project/Area Number |
17019002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 利明 東北大学, 病院, 助手 (10280926)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | 遺伝子 / トランスレーショナル リサーチ / バイオテクノロジー / 免疫学 |
Research Abstract |
レジオネラ菌は細胞内寄生性を特徴とするグラム陰性桿菌で、肺炎起炎菌としてしばしば臨床的問題となっている。われわれが免疫機構において最も重要な抗原提示細胞である樹状細胞を取り上げ、レジオネラ菌に対する樹状細胞の免疫応答を調べたところ、レジオネラ菌の生菌と死菌では、これを取り込んだ樹状細胞の引き起こす免疫応答は全く異なり、死菌によって樹状細胞は活性化され、感染宿主内で感染防御的な免疫応答を惹起するものの、生菌では樹状細胞の活性化は逆に阻害されることが明らかとなった(J.Immunol.172:1727-1734,2004)。そこで当該研究課題は、レジオネラ菌による樹状細胞活性化の抑制作用に着目し、レジオネラ菌の無作為遺伝子変異株を作製することによって、この分子機構の解明を目指すものである。 まずレジオネラ菌の無作為遺伝子変異株を作製する目的で、Tn903由来のプラスミドとmini-Tn10由来のプラスミドをそれぞれ入手し、レジオネラ菌のコンピーテント細胞にそれぞれエレクトロポレーション法で遺伝子導入した。いずれのプラスミドを導入しても多数の変異株が得られた。そこで、トランスポゾンTn903のゲノム挿入は無作為ではないことが懸念されたため、トランスポゾンmini-Tn10由来のプラスミドを用いて作製した遺伝子変異株から、樹状細胞の活性化能を指標にスクリーニングを行った。1344個のレジオネラ菌遺伝子変異株をそれぞれ樹状細胞と48時間共培養し、その培養上清中のIL-12量をELISA法で測定した。その結果、樹状細胞からのIL-12産生量が多い変異株、すなわち、樹状細胞の活性化阻害作用を失ったレジオネラ菌遺伝子変異株を最終的に計10株選択した。そして、これらレジオネラ菌遺伝子変異株10株は、共培養した樹状細胞のCD54発現を上昇させ、樹状細胞活性化抑制能を喪失した真の陽性株であることを確認した。
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