Project/Area Number |
17019011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
葛山 智久 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (30280952)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 放線菌 / 生合成 / テルペノイド / ポリケタイド / プレニルトランスフェラーゼ / 結晶構造 |
Research Abstract |
本研究課題では、プレニル基転移酵素を大量発現させた大腸菌の形質転換体を用いた微生物変換を基本的な原理として、プレニル化芳香族化合物合成系の構築を目指す。このプレニル化芳香族化合物合成系を構築するにあたって、まずは、クローニング済みのゲラニル基転移酵素の性質を詳細に解析する必要がある。そこで、本年度は本酵素の基質特異性について検討した。大腸菌で発現させ精製したゲラニル基転移酵素を用いて、まずは、1,3-ジヒドロキシナフタレン(DHN)、1,6-DHN、2,7-DHNをプレニル基受容体として、ジメチルアリル2リン酸(DMAPP)、ゲラニル2リン酸(GPP)、ファルネシル2リン酸(FPP)をプレニル基供与体として酵素活性の検出を試みた。その結果、いずれのDHN化合物も、Mg^<2+>存在下でのみ効率良く反応が進行した。ただし、プレニル基供与体としてはGPPが最も効率よく、DMAPPは基質とならず、FPPではごく弱い活性が検出されるのみであった。次に、ナリンゲニンなどのフラボノイド類やレスベラトロールやオリベトールといった植物ポリケチドを基質として検討した。その結果,検討したほとんどの化合物(ナリンゲニン、ダイゼイン、ゲニステイン、オリベトール、オリベトール酸、レスベラトロール)が本酵素によってゲラニル化されることが判明した。また、それらの反応産物のすべての構造を決定したところ、興味深いことに、本酵素は炭素-炭素結合のみならず炭素-酸素結合をも生成することができ、6-ゲラニルナリンゲニンに加えて7-O-ゲラニルナリンゲニンも反応産物として生成していることが明らかとなった。7-O-ゲラニルナリンゲニンは我々の知る限り新規化合物である。これらの結果から、本酵素の基質特異性はプレニル基供与体については厳密である一方、プレニル基受容体については極めて寛容であることが判明した。各基質に対する動力学的パラメーターは今後の課題である。
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