Project/Area Number |
17019020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
下条 文武 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (20126410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂爪 実 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (70334662)
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (20272817)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 腎不全 / 慢性糸球体腎炎 / IgA腎症 / 高血圧 / SNP / レニン-アンジオテンシン系 |
Research Abstract |
私共は、特にIgA腎症の進行に単独で影響を与える遺伝子多型を現在まで明らかにしてきたが、これらの中でレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の遺伝子多型の他に、α-adducin,Sa,G-protein β3 subunitなどの高血圧候補遺伝子の多型が、明らかな血圧値への影響がないにもかかわらず、IgA腎症の長期予後に影響する可能性を見出した(Goto S, Kidney Int 2002;Narita I, J Med Genet 2003;Song J, J Med Genet 2003;Narita I, Kidney int 2003;Narita I, Hypertens Res 2002;他)。つまり、腎疾患を有する症例では、それ自体が高血圧の原因となるため遺伝子多型の血圧への影響は検出されなくなる反面、全身血圧とは無関係に、腎障害の進行に関与することを意味する。しかし、単独の遺伝子多型の影響は、他の有意な臨床的危険因子(例えば蛋白尿、高血圧など)に比較して、その影響は軽微であった。 そこで、既報の腎不全に関連が認められた遺伝子多型の複数の組み合わせで解析した。結果、塩分感受性に影響すると報告されたα-adducin遺伝子(ADD1)のGly460Trp多型(G460W)は、患者全体では全く腎機能予後に関連を認めないが、angiotensin converting enzyme(ACE)II型の集団では、ADD1WW型を有する症例の腎不全のハザード比が3.65(95%信頼区間1.63-8.20,P=0.0016)と著しく不良であった。 このように、集団全体では統計学的には有意だが、しかし数値的にはせいぜい血圧値数mmHgのみで、臨床的にはあまり有用とは言えないような軽微な影響を持つ遺伝子多型に対して、ある遺伝子型を有する群ではその感受性が著しく高いということが分かれば、その遺伝子多型群を調べることは臨床的にも有用性が高いことになる。これらの、複数の遺伝子データ、さらには臨床データの組み合わせによる解析が、今後重要となると考えられた。 また、ACE阻害薬やARBなどのRA系阻害薬は、腎臓病の治療薬として有用であり、特に慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症で頻用されているが、それらの腎保護作用に、ACE遺伝子やAGT遺伝子の多型が関与することが分かった。これらの成果は、今後の遺伝子多型情報に基づいた腎臓病治療法への介入をめざし、Prospective studyを行うための基盤となるものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)