単一ニューロン活動による中枢神経回路の可塑的変化:レトロウイルスによる生体内解析
Project/Area Number |
17021017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田端 俊英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80303270)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | シナプス可塑性 / 中枢神経系 / 発達 / 興奮性 / カリウム・チャネル |
Research Abstract |
学習・記憶が成立するためには従来研究されてきたニューロン特異的なミクロのシナプス可塑性だけでなく、これによって生じた神経回路局所の興奮性変化を再調整する脳部位全体のマクロなシナプス可塑性が必要と考えられている。本研究では生体内においてマクロ可塑性を実証的に研究する実験系を開発した。モデルとしてマウス小脳皮質を用い、遺伝子学的手法を駆使して少数のプルキンエ細胞に内向き整流性K^+チャネルIRK1を強制発現させ、ミクロなシナプス可塑性によって生じるような活動レベル変化を発生させ、マクロな可塑性を誘導するストラテジーを試みた。IRK1を組み込んだレンチウイルス・ベクターをマウス小脳表面に投与することで少数のプルキンエ細胞にIRK1を発現させることができた。さらにプロモーター-IRK1遺伝子とプロモーター-GFP遺伝子をタンデムに組み込んだレンチウイルス・ベクターを開発し、蛍光タンパクGFPによるIRK1陽性細胞の同定を可能にした。一方、tTA依存的プロモーター(tetOp)の制御下でIRK1とGFPをモザイク発現するトランスジェニック・マウスの開発も進めた。tetOp-IRK1-GFPトランスジーンを受精卵注入したマウスをNSE-tTAマウス(Sakaiら,2004)と交配し、NSE-tTA×tetOp-IRK1-GFPマウスを作出した。このマウスでは、少数のプルキンエ細胞でtTA因子が産生され、tetOpプロモーターが活性化され、IRK1とGFPの発現が促進されると期待される。作出したマウスのいくつかの系統で実際にGFP発現が観察された。また発現系において上記トランスジーンがIRK1とGFPを同時発現させることが確認できた。NSE-tTA×tetOp-IRK1-GFPマウスを繁殖するとともに、このマウスを用いてマクロな可塑性の電気生理学的・形態学的解析を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)