Project/Area Number |
17021052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
齋藤 実 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (50261839)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
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Keywords | 老化 / ショウジョウバエ / 遺伝子 / 学習記憶 |
Research Abstract |
加齢による学習・記憶力の低下(Age-related Memory Impairment : AMI)はアルツハイマー病などの病変を示さない健常老人でも起こる脳老化の重要な表現型である。我々は寿命の短いショウジョウバエを新たなモデル動物としたAMIの遺伝学的解析を行い1)AMIは神経ペプチドをコードするamnesiac(amn)遺伝子依存性の記憶過程の特異的な障害を反映していること、2)従ってamn変異体ではもはや加齢による記憶低下が起こらないことなどを見出した。 Amnペプチドは記憶に重要な脳部位であるキノコ体でcAMP経路を活性化し、情報伝達を調節することが示唆されている。しかし、amnの発現は加齢による低下を示さず、amnを野生型で過剰発現させてもAMIは抑制されない。こうした結果からamnより下流(キノコ体)の記憶情報伝達系にAMIの原因があると仮説を立て、本研究ではキノコ体に発現が予想される遺伝子のランダムな変異体系統でAMI変異体の検索を行った。その結果、驚くべきことにPKA触媒部位をコードする遺伝子DC0のヘテロ変異体(DC0/+)では若い野生型と同じ記憶力を加齢体となっても保持していることを見出した。 DC0-PKAはキノコ体で高い発現を示し、DC0/+のPKA活性は野生型の約60%だった。さらにDC0-PKAをキノコ体で発現させるとDC0/+でもAMIが起こること、またキノコ体で強い発現を示すcAMP分解酵素の変異体dncではPKAの活性が亢進し、AMIが促進していることなどから、キノコ体でのPKA活性がAMIを引き起こすことが示された。一方DC0-PKAの活性はAMIの発現に伴う変化を示さなかったことから、加齢によるPKA活性上昇ではなく、リン酸化されたPKA基質の長期に亘る蓄積などによりAMIが起こることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)