Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Research Abstract |
背景と目的 単音節あるいは単語レベルの比較的持続時間の短い刺激ではなく、リアルタイム連続音声(談話)刺激に対する脳活動の検討を目的とし、本年度は、まずM系列変調談話刺激に対する脳波データに独立成分分析(ICA)を適用した。 方法 被験者:健常成人日本語話者8名(右手利き)。データ収集に際し、書式で承諾を得た。刺激:日本語とスペイン語の約51秒のニュース各2種類とその逆再生、およびそれらを40Hz・11次のM系列で変調(gapを挿入)したものを刺激にもちいた。 記録:ThinknetDF4000(16ビットADC)を用い、鼻尖を基準としてFz;FT7,FC3,FCz,FC4,FT8;T7,C3,Cz,C4,T8;TP7,CP3,CPz,CP4,TP8およびPzから脳波を記録した。変調に同期した誘発脳電位をM系列との循環相関関数として検出し、循環相関関数の独立成分の時系列を求めた。 結果と考察 日本語順方向再生刺激に対しては、N1、P2、N2、P2、N4に対応する相関ピークが認められた。これに対してスペイン語および逆再生条件では、N1、P2、N2に対応するピークは認められたが、明確なN4対応ピークは認められなかった。同様の結果は刺激文を変えても認められた。理解可能な日本語でのみ、挿入されたgapに対する意味文脈の処理が行われるためと解釈できる。以上の結果から、M系列変調gapに対する応答に独立成分分析を適用することにより、脳波・脳磁場を用いたリアルタイム音声言語(談話)処理の検討が可能であることが示された。本手法は従来の加算平均手法に比べて、1)連続音声データを刺激として用いることが可能、2)瞬き、体動などのアーチファクトに強い、3)計測時間が従来の約10分の1という特徴を持ち、児童を対象とした研究への適応に有望である。
|