Project/Area Number |
17022009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
筒井 健一郎 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (90396466)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | サル / 自由選択課題 / 信号検出理論 |
Research Abstract |
意思決定の神経機構を明らかにするために、並立VI(変動間隔)スケジュールを基にデザインした変動確率課題をサルに訓練し、この課題を遂行させながら前頭連合野から単一ニューロン活動を記録した。この課題は、刺激AとBのどちらを取ったほうがより報酬を得られやすいかを予想さながら反応させるもので、最も基本的な意思決定状況であるといえる。この課題をサルに行わせながら前頭連合野からニューロン活動を記録すると、多くのニューロンの活動が、サルが刺激Aを選ぼうとしているときと、刺激Bを選ぼうとしているときで異なる活動を示すことが見つかった。すなわち、これらのニューロンの活動を観察すると、サルが実際に刺激を選択する何秒も前から、その試行でサルがどちらの刺激を選ぶのかを予測することが出来た。これらのニューロンの活動は、これまでに運動関連領域にて記録されたことが報告されている「運動の準備」に関する活動とは、本質的に異なる。すなわち、運動の準備に関わる活動は、どの効果器を使って、どちらの方向に反応するかに依存していたが、今回記録されたニューロンは、効果器を右方向に動かすか、左方向に動かすかに関わらず、ある特定の刺激をとろうとしているときに選択的に活動しているのである。さらに、これらのニューロンそれぞれについて、その活動によってどれだけ正確にサルの選択行動を予測できるかを調べるため、信号検出理論に基づいてROC曲線を作成した。その結果、記録した細胞の約2割については、その活動を記録することによって、75%以上の精度でサルの選択行動が予測できることが分かった。これらの事実は、前頭連合野のニューロンが、意思決定の初期の段階、すなわち、具体的な運動の準備よりも抽象度の高いレベルの、行動の目的設定に重要な役割を果たしていることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)