Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
背景:大脳皮質は各領域間でネットワークを形成して初めて機能を表現することができる。MRIのDiffusion weighted imaging (DWI)によって白質の異方性を評価して、白質路をin vivoで推定する方法が報告されている。一方、機能的脳外科の術前評価のために脳表に留置した硬膜下電極からの単発皮質電気刺激を用いて、短潜時の皮質誘発電位(cortico-cortical evoked potential ; CCEP)を隣接・遠隔皮質から記録し、ヒトの大脳皮質領域間のネットワークをin vivoで検討した。しかし、電気刺激による反応だけでは、同定されたネットワークの直接の線維連絡を明らかにできない。そこでDWIとCCEPの両者を総合的に検討して、ヒトの大脳皮質領域間ネットワークを解明する研究を計画した。目的:ヒトの前頭葉と頭頂葉の領域間ネットワークを、CCEOとDWIを用いて機能と構造の両面からin vivoで明らかにする。難治てんかん・脳腫瘍の術前評価のために、硬膜下電極を外側前頭・頭頂葉に留置した症例6例を対象とした。頭頂葉の留置電極に単発電気刺激を与え、前頭葉よりCCEPを記録し、機能的連関を検討した。内2例では、硬膜下電極の留置前に81軸の傾斜磁場のDWI撮像を行い、FDTを用いて解析した。CCEPの刺激電極位置を脳溝との関係から同定してpdfsの関心領域とし、電極位置に相当する大脳皮質領域が線維連絡をもつ領域を推定した。結果:CCEPとDWIを同時に検討した2例では、1例では上頭頂小葉の刺激で背側運動前野に、もう1例では背側運動前野の刺激で縁上回にCCEPが記録された。両症例で記録されたCCEPに一致する前頭・頭頂葉領域間にDWIで線維連絡が推定された。CCEPのみ検討した4例では、頭頂葉から前頭葉へは中心溝より近位および遠位の領野間が一部分散して、それぞれ機能的にネットワークを形成していた。結論:CCEPとDWIを用いて、ヒトの前頭・頭頂葉間の大脳皮質領域間ネットワークをin vivoで明らかにした。
All 2006 2005
All Journal Article (6 results)
Ann Neurol 59
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