衝動性と将来報酬予測機能における脳内セロトニンの役割
Project/Area Number |
17022029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山脇 成人 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40230601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 泰昌 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (70314763)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 衝動性 / セロトニン / 基底核 / fMRI / 報酬系 |
Research Abstract |
【背景・目的】衝動性の一つのモデルとして、reward-delay impulsivityが提唱されている。これは、将来の大きな報酬を待てず目先の小さな報酬に反応してしまうというものである。一方、衝動性に中枢神経系セロトニン機能の低下が関与していると考えられているが、具体的なメカニズムは未だ明らかでない。本研究では、reward-delay impulsivityにおける脳内セロトニンの果たす役割を解明することを目的とした。 【方法】個人におけるreward discounting機能を評価するために、短期・長期報酬予測課題を作成した。これは、報酬が得られるまでに要する時間を様々に変化させた、大小2種類の報酬が得られる視覚刺激を呈示し、どちらかを選択させるというものである。健常被験者において脳内セロトニン濃度を調節するために、前駆物質であるトリプトファンを欠乏・正常・過剰させた3条件のアミノ酸混合飲料を作製した。実験前日から水分・蛋白制限し、実験当日にアミノ酸混合飲料を服用し、5時間後に上記課題を行い、同時にfMRIを用いて脳血流反応を測定した。行動データから強化学習モデルを用いた解析を行い、脳活動データとの関連を検討した。 【結果】被殻において、短期報酬予測には腹側部が、長期予測には背側部が関与するという時間的スケールに対応したマップが見られた。さらに、トリプトファン欠乏条件では腹側部で短期時間スケールと、トリプトファン過負荷条件で背側部と長期時間スケールと相関していた。 【考察】報酬のdelay discountingに並列回路が関与しており、時間スケールによって異なる回路が用いられること、中枢神経セロトニン濃度によってこれらの回路の用いられ方が異なることが推測された。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)