大脳皮質体性感覚野における多様性感覚情報処理メカニズムの解明
Project/Area Number |
17022031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 恵 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (10140641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古江 秀昌 九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (20304884)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 体性感覚野 / 痛み応答 / 触応答 / EPSC / IPSC / 干渉作用 / パッチクランプ記録 / in vivo標本 |
Research Abstract |
末梢からの体性感覚情報は脊髄後角において修飾・統合を受けた後、視床を介して大脳皮質体性感覚野に投射される。その情報はさらに連合野に伝えられて高度の情報処理が行われる。そこで、まず大脳皮質第一次体性感覚野からパッチクランプ記録を行い、末梢皮膚に機械的痛み刺激を加えて得られた応答と、触刺激によって誘起されるシナプス応答の間にどのような干渉作用があるか否かを検証することを目的とした。さらに、6層からなる体性感覚野細胞でいかなる相違があるかも併せて検討した。Urethaneによって麻酔したラットの頭部皮膚を切開し、頭蓋に記録用のチェンバーを装着した。歯科用のドリルで約2mmのホールを開けパッチクランプ電極刺入用とした。記録を行った90%以上の細胞で周期的な膜の内向き電流が観察された。この周期性膜変動はIII, IV, V層の細胞から記録され、その周期や電流変化には明らかな相違はみられなかった。記録を行った後、鈎付きのピンセットで受容野の皮膚を挟んで刺激とした。また、触刺激にはガラス棒を押しつけるか、筆で体毛を擦過して刺激とした。ガラス棒を押しつけたときには刺激の最初と最後にのみ応答がみられ刺激の最中には適応を起こし応答が誘起されなかった。また、痛み刺激によって誘起された応答が痛み受容体を介して誘起されていることを確認するため、鈎付きピンセットを固定し、異なる重しを置いて応答を観察した。その結果、重しを大きくするに従い応答の頻度が増加し、適応はみられなかった。このことは痛み受容器が刺激を受け応答を惹起していることを示唆している。体性感覚野から記録した細胞の多くは触と痛み刺激に応答した。ただ、膜の周期的な変動があるため、応答はその膜電流変動に重畳された形で観察された。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)