大脳基底核による運動制御機構を解明する-線条体の機能に関する研究
Project/Area Number |
17022042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
南部 篤 生理学研究所, 統合生理研究系, 教授 (80180553)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | 大脳基底核 / 線条体 / 随意運動 / 介在ニューロン / GABA / 大脳皮質運動野 |
Research Abstract |
線条体は大脳基底核の入力部として、様々な大脳皮質より入力を受けている。線条体での情報処理過程を調べる目的で、予め大脳皮質一次運動野上肢領域(MI)、補足運動野上肢領域(SMA)に刺激電極を埋め込んでおいたニホンザルを用い、上肢による遅延期間つきの到達運動課題を遂行させ、線条体の投射ニューロンから記録を行った。 1.皮質刺激に対する順行性応答により、線条体ニューロンは、MI、SMA、およびMI+SMA両者から入力を受けるニューロンに分類できた。 2.運動課題との関連を調べてみると、MIから入力を受けるニューロンは、運動そのものに関連して発射活動を変化させたのに対し、SMAから入力を受けるニューロン、MI+SMA両者から入力を受けるニューロンは、運動ばかりでなく手懸かり刺激や遅延期間に反応を示すものが多かった。 3.線条体のGABA作動性介在ニューロンの機能を調べる目的で、記録と薬物の局所注入が可能な電極を用いて線条体投射ニューロンから記録を行い、gabazine(GABA_A受容体の拮抗薬)を局所に注入した。その結果、自発発射は増加しないが皮質刺激に対する応答性は増大した。 4.Gabazine局所注入後、線条体投射ニューロン活動と運動課題との関連性の変化を調べたところ、タスクイベントとの時間関係が曖昧になったり、他のタスクイベントに反応するようになるなど、反応の特異性が失われる傾向が見られた。 以上の結果より、運動遂行における線条体での情報処理に関して以下のことが考えられた。 1.線条体投射ニューロンの発射パターンは、主に大脳皮質からの入力によって決まる。 2.線条体介在ニューロンは、投射ニューロンの活動に対して微細な影響を与えている。これは、介在ニューロンが投射ニューロンに対してフィードフォワード抑制を行い、発射のタイミングを調節しているという仮説を支持する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)