Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Research Abstract |
哺乳動物の海馬では、複数種の入力繊維が海馬錐体細胞の樹上突起の特定の分節に選択的に投射する。このような入力繊維が特定の樹上突起の特定の分節に投射し、そこでシナプスを形成する現象(層特異的投射)は神経細胞の活動、ひいては神経回路網の機能の基盤を提供する重要な事柄である。しかしながら、層特異的神経投射の分子制御機構はほとんど明らかにされていない。本研究では、海馬での層特異的神経投射の分子制御機構を明らかにすることを目的とし研究を進め、以下のような成果を得た。 海馬では、歯状回からのmossy fiberはCA3錐体細胞の樹上突起の近位部に投射する。このようなmossy fiberの層特異的投射の制御機構を探るため、海馬で発現する神経軸索反発因子セマフォリン6Aとその受容体であるプレキシンA4、プレキシンA2に注目し、これらの遺伝子の機能破壊マウスを作製した。これらの変異マウスを用いた研究により、セマフォリン6AはCA3領域に発現し,その受容体であるプレキシンA4はmossy fiberで発現し,セマフォリン6Aがmossy fiber反発因子として機能してmossy fiberがCA3に侵入することを抑制していることを明らかにした。更に,セマフォリン6Aの一方の受容体であるプレキシンA2はmossy fiberでは発現せず、CA3領域の近位部で発現し、セマフォリン6Aと結合することを明らかにした.これにより、CA3領域の近位部ではセマフォリン6Aの軸索反発機能がプレキシンA2によりマスクされ、mossy fiberはCA3領域の近位部に侵入することを可能としていることを明らかにした。また、セマフォリン6A以外にもCA3領域で発現するmossy fiber反発因子の存在が予測されたので,その検索を行い,候補分子を見いだした。
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