Project/Area Number |
17023025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小松 由紀夫 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (90135343)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 眼優位可塑性 / T型Ca^<2+>チャネル / 長期増強 / 視覚野 / 経験依存的機能発達 / シナプス可塑性 / mibefradil / 片眼遮蔽 |
Research Abstract |
1)大脳皮質視覚野の興奮性シナプス伝達におけるNi^<2+>感受性Ca^<2+>チャネル依存性の長期増強は、眼優位可塑性と同様な年齢と視覚体験に対する依存性を示す。この長期増強が眼優位可塑性に関与するかを、黒目のラット(Long-Evans)を用いて検討した。 2)最初に、この長期増強を選択的に阻害する薬物を探索した。Ni^<2+>感受性Ca^<2+>チャネルにはT型とR型があるので、それらの阻害薬の長期増強に対する効果を感受性期のラット視覚野切片標本を用いて調べた。 3)R型Ca^<2+>チャネルの選択的阻害薬SNX-482(500 nM)は長期増強に影響を与えなかったが、T型Ca^<2+>チャネルを阻害するmibefradil(3 μM)とkurtoxin(250 nM)は共に長期増強の誘発を阻止した。したがって、この長期増強はT型Ca^<2+>チャネルの活性化を誘発に必要とすると考えられる。 4)片眼遮蔽の効果は視覚誘発電位により評価した。ウレタン麻酔下のラットにサイン波状格子模様の明暗を1秒に一回逆転する視覚刺激を与え、それにより誘発される細胞外電位を遮蔽眼対側視覚野の両眼視領域の3/4層境界部から記録した。それぞれの眼に刺激を100回繰り返し与え、その反応の平均振幅で視覚反応の大きさを決めた。 5)感受性期に5日間(生後25-30日)片眼遮蔽すると遮蔽眼刺激により誘発される電位は減少し、非遮蔽眼刺激による反応は増大した。片眼遮蔽の間、オスモティク・ミニポンプを用いてmibefradil(3 mM)を視覚野に持続注入すると、遮蔽眼刺激により誘発される反応はコントロールと同程度に減少したが、非遮蔽眼刺激による反応に増大は見られなかった。片眼遮蔽せずにmibefradilを持続注入しても眼優位性になんら変化は見られなかった。 6)以上の所見は、T型Ca^<2+>チャネル依存性長期増強が片眼遮蔽により生ずる非遮蔽眼の視覚反応の増大に寄与することを示唆する。また、片眼遮蔽による遮蔽眼の反応の抑圧は非遮蔽眼の反応の増大とは独立した過程により制御されていることを示唆している。
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