Project/Area Number |
17023031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 文隆 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00202044)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アセチルコリン / 視床-皮質切片標本 / サイレントシナプス / ニコチニック受容体 / 視床潜時 / マウス / フィードフォワード抑制 / スパイクタイミング |
Research Abstract |
大脳皮質には前脳基底部よりアセチルコリン含有繊維の密な投射を受けており皮質内情報処理に重要な役割を果たしていると考えられているが、その制御様式の詳細については不明な点が多く残されている。これまで、ニコチニック受容体の作用に注目し、体性感覚野(バレル皮質)から視床-皮質標本を作製して、視床刺激によるシナプス反応を皮質において観察してきた。その結果、短期間のニコチン投与後、サイレントシナプスが活性化されその効果が長期的に持続することが明らかとしてきた。また、ニコチンはシナプス前性サイレントシナプスを活性化したことを示唆してきた。皮質細胞種とニコチンの作用については、幼弱時には興奮性、抑制性いずれの細胞も促通作用を受けたが、臨界期以降特にP14以後になると興奮性細胞でのニコチン感受性が減少していた。また、ニコチン投与により、興奮性の細胞に複シナプス性の抑制性シナプス後電位が高頻度に出現することが認められた。このことは、視床から4層を経て2/3層へと信号を伝搬する興奮性細胞の発火時期(スパイクタイミング)を、より短い範囲内に収めるという意味において大変重要であると思われる。実際、ニコチン存在下では、興奮性細胞のEPSPのピーク位置の範囲は有意に減少しており、ニコチン投与によりフィードフォワード抑制が強化されることの生理学的意味が明確となった。また、このようなフィードフォワード抑制が働くためには視床からの神経支配において興奮性細胞よりも抑制性細胞への潜時が短い方が効率的に働くと推定される。この点について実験的に検討したところ、同一バレル内においては、例外なく抑制性細胞の潜時が短いことが判明した。
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