皮質脊髄路シナプスの形成と可塑性:臨界期・シナプス競合・多段階発達
Project/Area Number |
17023040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
桜井 正樹 帝京大学, 医学部, 教授 (30162340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 昇 帝京大学, 医学部, 助手 (20365985)
前田 仁士 帝京大学, 医学部, 助手 (20349252)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 皮質脊髄路 / シナプス形成 / シナプス除去 / 臨界期 / スライス培養 / シナプス競合 |
Research Abstract |
1)皮質脊髄路シナプスのin vitro再構築と活動依存的シナプス除去:皮質脊髄路シナプスを大脳皮質と脊髄スライスの共培養により、in vitroで形成することに成功し、その発達を追うと、7DIVまでは脊髄灰白質全体にシナプスが形成されるが、その後、腹側のシナプスは消失し、14DIVには背側に限局するようになる.このことは膜電位感受性色素を用いた実験からも支持された.このシナプス除去はNMDA受容体の阻害剤を培地に加えることにより抑えられた. 2)臨界期の存在とそのメカニズム:NMDA受容体阻害剤の適用時期を変化させると、6-11DIVでの投与がシナプス除去を阻害するが、それ以前やそれ以後に投与しても殆ど効果がなく、効果が不可逆であることから、ここに臨界期が存在することが示された.NMDA受容体のサブタイプを調べると、この期間に一致して、2Bから2Aへのシフトが生じていることが観察された.2B特異的阻害剤はシナプス除去をAPVと同様に阻害することとあわせ、臨界期終了のメカニズムは2B→2Aのシフトである可能性がある. 3)シナプス競合:皮質脊髄シナプス形成における脊髄腹側-背側の関係を調べるため、脊髄スライスの背側と腹側を分離して、皮質と共培養する系を開発した.皮質と背側・腹側の組み合わせでは14DIVまでに腹側のシナプスは消退し、背側が残るのに対し、皮質と腹側・腹側の組み合わせでは14DIVになっても両者ともにシナプス消退は起こらず、脊髄腹側・背側間に潜在的競合関係が存在することが示唆される. 4)二段階神経支配:in vivo幼若ラットにおいても、シナプス除去がin vitroと非常によく似た時間経過(P7-P11)で生ずることを確認した.さらに発達を追うと、一旦シナプス除去が生じた後のP12-P13に再度、神経支配の第二波とも呼ぶべき脊髄灰白質での大量の軸索分枝増大とシナプス形成が腹側背側ともにみられた. 5)マウスでの再現:遺伝子改変動物を用いて上記発達期可塑性の分子メカニズムを探る準備として、C57BL/6マウスを用いてスライス培養を行い、皮質脊髄シナプスとその活動依存的除去が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)