大脳新皮質におけるスパイン形態可塑性の2光子励起グルタミン酸法を用いた研究
Project/Area Number |
17023048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 政紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50353438)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | シナプス / 記憶 / グルタミン酸 / 可塑性 / 超短パルスレーザー |
Research Abstract |
これまで大脳海馬の樹状突起スパインの可塑性について調べてきたが、本研究では、大脳新皮質の視覚野のスパイン可塑性について調べた。ラット視覚野スライスを培養し、遺伝子銃を用いて、錐体細胞にGFPを発現させ、スパインを可視化した。このスパインに対して、2光子励起法によるグルタミン酸頻回投与を行った。その結果、スパイン頭部増大が起こり、長期に増大が維持されたが、その増大率は海馬CA錐体細胞のスパイン頭部増大率よりも有意に小さかった。スパイン形態を大きく変える、NMDA受容体アゴニストのNMDAを投与しても、海馬に比べて変化が小さかった。また、スパインネックの長さが、海馬よりも有意に長いが、スパイン頭部体積の分布はあまり違いがなかった。 一方、in vivoの大人マウスの視覚野のスパインを観察すると、培養した細胞のスパインに比べ、ネックの長さが短いことがわかった。そこで培養細胞とほぼ同じ年齢に相当する若いマウスの急性スライス標本を作製してスパイン形態を観察すると、in vivoのスパインネックよりは長く、培養した細胞のスパインネックよりは短かった。海馬スライス培養では、可塑性を止める条件で培養すると、スパインネックが長くなることがわかった。視覚野スライス標本では、海馬スライス標本に比べ、局所回路として貧弱であるため、培養中に可塑性を誘発するような、回路活動が起こらず、結果としてネックが長くなったと推測された。海馬ではネックが長いほど形態可塑性が起こりやすいが、視覚野のスパインでは形態可塑性が誘発されにくいことから、スパインネック長の可塑性は海馬と視覚野で共通する点があるものの、形態可塑性メカニズムは異なっており、これがそれぞれの領野の可塑性の違いの基盤のひとつである可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)