Project/Area Number |
17024002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小椋 利彦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60273851)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | Irx / 神経発生 / 小脳 / isthmus / ゼブラフィッシュ |
Research Abstract |
研究の背景と目的 脊椎動物は、6つのIrx遺伝子(Irx1-Irx6)を持っており、Irx1、Irx2、Irx5が直列に並んでIrxA complexを、Irx3、Irx5、Irx6が同様に直列に並んでIrxB complexを作っている。ハエでも3つのIroquois遺伝子が直列に配列しており、このような構造は進化の過程で保存されてきたと考えられ、脊椎動物では染色体重複によってIrxA、IrxBの2つの複合体ができたことを意味している。我々は、Irx2をモデルに研究を進めてきた。Irx2は、頭側後脳背側に形成されるRhombic Lipに発現する。Rhombic lipは小脳原基となる部分で、後脳と中脳の境界(Isthmus)に発現するFGF8のシグナルを受けて小脳形成を行う。ニワトリを用いた実験では、Irx2とFGF8を共発現させると、中脳からほぼ完全な小脳を誘導する。また、Irx2はFGF8/MAP kinaseによって直接リン酸化され、転写抑制因子から活性化因子に変わることも分かった。本研究では、Irxの詳細な解析、各種シグナルとの機能的関係を探り、複雑な神経系の発生を司るシグナル伝達機構を解明することを目的とする。 方法と結果 脊椎動物の発生を、遺伝子破壊を容易に行なって解析する目的で、ゼブラフィッシュをモデルとして、morpholino oligoによる遺伝子機能阻害実験系を確立した。また、mRNAのインジェクションによる異所的強制遺伝子発現、組織特異的プロモーターでGFPやGFP融合タンパク質を発現させて行なう細胞移動/細胞系譜解析実験、各種新規タンパク質の細胞内局在観察実験を行なうことが可能となった。多様なGFP遺伝子を用いることで細胞膜や軸索のみをラベルする方法や、Kaede蛋白を発現する細胞集団のごく一部の細胞をラベルして観察することも可能となった。加えて、ゼブラフィッシュを用いたWhole mount in situ hybridisationも行なうことができるシステムを構築し、魚類を用いた基本的な研究を行う基礎が確立できた。 Irx2はクロマチンリモデリングとの関連が考えられるため、関連する新規遺伝子を単離し、新しいゼブラフィッシュの系を使って、遺伝子機能破壊実験を行なった。その結果、Irx2が関与するIsthmus、Irx3が関与するZona limitans intrathalamicaの境界構造の乱れが確認できた。また、眼球形成にも異常が見られ、Irx遺伝子群の発現部位に変化認められた。今後、この解析を発展させてゆく。
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