Project/Area Number |
17024029
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根岸 学 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60201696)
|
Project Period (FY) |
2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
|
Keywords | Plexon / semaphorin / Rho / 軸索ガイダンス / 成長円錐 / 神経回路 / 神経突起 / R-Ras |
Research Abstract |
セマフォリンはその特異的な受容体、Plexinを介して軸索に反発作用を引き起こすが、その神経細胞内での情報伝達機構は不明であった。Plexinは膜1回貫通型の受容体で、細胞内領域には種類及び種を超えてよく保存されている領域(C1、C2)が存在する。我々は以前、semaphorin 4D(Sema4D)の受容体、Plexin-B1の細胞内領域のC1とC2の間の領域に、低分子量G蛋白質、Rhoファミリーの1つで脳に主要に発現している常時活性型のG蛋白質、Rnd1が結合していることを見いだした。そこで、Rnd1の結合したPlexin-B1の情報伝達機構を解析した結果、Plexin-B1の細胞内領域のC1とC2がR-RasGAPをコードしており、R-Rasの活性を直接抑制し、神経軸索の反発作用を引き起こすことを明らかにした。Plexin-B1-Rnd1複合体はリガンドのSema4Dの刺激を受けてPC12細胞の神経突起の退縮を引き起こし、また、ラット海馬神経初代培養細胞の成長円錐の消失を促進した。さらに、別のセマフォリン、Sema3AによるPlexin-Aを介した成長円錐の消失にも同様にR-RasGAP活性が必要であることがわかった。従って、Plexinは細胞膜受容体としてR-RasGAPを直接コードする全く新しいタイプの受容体であり、そのR-RasGAP活性により神経軸索の反発作用を発揮すると考えられる。我々はさらに、Plexin-B1によるR-Ras GAP活性を介した下流の情報伝達経路を解析した結果、細胞外マトリックスへの細胞の結合によりR-Rasが活性化され、活性化されたR-Rasがインテグリンを活性化すること、そして、Sema4D-Plexin-B1はR-Ras GAP活性によりR-Rasの活性を抑制し、細胞接着によるインテグリンの活性化を抑制することを見いだした。このことから、Sema4D-Plexin-B1はR-Rasによるインテグリンの活性化を抑制し、細胞の伸展を阻害することにより軸索に対する反発作用を発揮しているものと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)