Necdin/MAGEファミリーによるニューロンの分裂終了・分化・生存の制御機構
Project/Area Number |
17024035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 伊三男 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (70362621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和明 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30094452)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | ニューロン / 神経幹細胞 / ショウジョウバエ / 細胞周期 |
Research Abstract |
Necdinは最終分化したニューロンに発現して,細胞増殖と死を抑制する作用を持つ。Necdinと類似した配列をもつMAGEファミリー遺伝子はヒトでは30種類以上存在するが,ショウジョウバエには単一の相同遺伝子Drosophila MAGE(dMAGE)しか存在しない。 ショウジョウバエの神経発生では神経芽細胞と呼ばれる神経幹細胞が,対称分裂により増殖するとともに,非対称分裂を行い神経芽細胞とより分化した神経母細胞を産生する。神経母細胞はさらに1回だけ分裂してニューロンを作る。胚期が終わると神経芽細胞は増殖を止めるため神経発生は静止期に入るが,1齢幼虫後期になると再び神経芽細胞は増殖を始めて成虫脳ニューロンを産生する(成体神経発生)。dMAGEは初期胚に高発現するとともに,成体神経発生期の神経芽細胞,神経母細胞とニューロンに発現し,成虫脳では学習記憶中枢であるキノコ体などのニューロンに発現していた。そこでMAGEファミリーの神経発生における役割を解明する目的で,RNA干渉法を用いてdMAGEを発現抑制することにより機能解析を行った。 目的遺伝子の発現をコンディショナルに誘導するGAL4/UAS系を用いてdMAGE RNA干渉を誘導した。4個のキノコ体神経芽細胞とそこから産生される神経母細胞を容易に同定できる蛹中期のキノコ体をモデル系として,神経芽細胞と神経母細胞でのdMAGE発現抑制の効果を解析した。キノコ体でdMAGEを発現抑制させて,蛹化42時間後に神経芽細胞,神経母細胞,およびニューロンの数を解析した。神経芽細胞は4個のままで変化は認められなかったが,1つの神経芽細胞に由来すると推定される神経母細胞の数が増え,ニューロン数も45%増加した。以上より,dMAGEはショウジョウバエ中枢神経系において神経芽細胞,神経母細胞の細胞周期制御に重要な役割を果たしていることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)