Project/Area Number |
17024046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木住野 達也 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 助教授 (70315232)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | エピジェネテクス / クロマチン病 / 神経細胞 / インプリンティング |
Research Abstract |
エピジェネティクスの調節に関与する遺伝子の異常によって起きるクロマチン病といわれる疾患群(レット症候群、αサラセミア精神発達遅滞症候群)の原因遺伝子であるMeCP2,ATRX遺伝子の発現、機能を、マウスの胎仔脳初代培養神経細胞を実験系として用い以下の解析結果を得た。 1.メチルDNA結合タンパク質(MeCP2)、ATRXの、神経上皮細胞から神経・グリア細胞への分化の過程における発現、細胞内局在の変化を免疫染色にて解析したところ、いずれも神経細胞において強く発現し、核内に強く集積している事が判明した。 2.MeCP2、ATRXの神経細胞における機能を調べる目的で、ChIP(クロマチン免疫沈降)法による上記蛋白質のDNA結合部位の同定を行った。ChIP法による沈降DNAをDOP-PCR法により増幅し、クローニングして解析した。MeCP2抗体を用いた解析では、約40個の異なる候補遺伝子座を同定した。この中で神経細胞関連遺伝子座は7個あり、その一部は脳組織全体を用いて既に同定された結合部位を含んでいた。ATRX抗体を用いた解析では約50個の候補遺伝子結合部位を同定した。これら候補遺伝子結合部位の一部は定量PCRにて結合が確認された。興味深いことにMeCP2結合領域の一つにUbe3aが存在した。Ube3aは神経細胞においてのみインプリンティングを受け、そのインプリンティング発現はSnrpn上流のIC(インプリンティングセンター)に制御されていることが知られている。Ube3a-Snrpn-IC領域のMeCP2結合部位に関して解析したところ、神経細胞特異的にかつ母親アレル特異的にMeCP2が結合している事が判明した。 上記の結果はMeCP2が神経細胞特異的なインプリンティング制御機構に関与していると考えられ、現在MeCP2ノックアウトマウスを用いてMeCP2と神経細胞特異的インプリンティングの関係を解析中である。
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