中枢神経系の発生過程における神経幹細胞の運命決定機構の解析
Project/Area Number |
17024047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田賀 哲也 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (40192629)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 神経幹細胞 / 自己複製 / 細胞増殖 / 細胞分化 / シグナル伝達 / bFGF / Wnt / Notch |
Research Abstract |
中枢神経系を構成するニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトは、神経幹細胞が分化の運命決定を受けてそれぞれの特性を備えた細胞へと成熟する。神経幹細胞の分化の運命付けの過程には、多能性を維持する機構、分化の運命付け誘導の機構、他の細胞種にならない運命付けの排他性の機構、運命付けの固定と維持の機構のそれぞれが重要であり、脳機能構築の理解にはこれらの神経幹細胞運命決定機構の解明が不可避の課題である。本研究では、近年造血幹細胞や胚性幹細胞の未分化性維持に関与することが報告されたWntシグナルに焦点を当てて取り組んだ。実験にはマウス胎仔終脳由来神経上皮細胞をbFGFで培養することで得られる神経幹細胞画分を用いた。この神経幹細胞培養系において、bFGFとWnt3aが相加的な細胞増殖促進作用を示した。神経幹細胞画分にbFGFを添加するとPI_3 kinase (PI_3K)-Akt経路を介して、Wnt3aシグナルの下流標的として知られるGSK3βのSerine9リン酸化による活性抑制や、下流因子β-cateninの核への蓄積、細胞周期制御因子CyclinD1の発現促進が認められた。Serine9のalanine置換による優性活性型GSK3β変異体の遺伝子導入やPI3K阻害剤の添加などの実験結果も総合すると、bFGFはPI_3K-Akt-GSK3β-cyclinD1経路を介して神経幹細胞の増殖を促進することが示された。一方、神経幹細胞画分の培養系において、Notchシグナル活性化によるHes1プロモーターの活性化をbFGFシグナルが増強し、Hes1遺伝子発現によるニューロン分化抑制効果を亢進させることを見出した。これらの研究結果を総合すると、bFGFシグナル、Wnt3aシグナル、Notchシグナルが、神経幹細胞の増殖と分化抑制、つまり多能性維持、という運命付けの局面において相互作用していることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)