MOCAによる神経細胞の形態形成および軸索伸長に関するメカニズムの解析
Project/Area Number |
17024068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
原田 高幸 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (90345306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行方 和彦 (財)東京都医学研究機構, 研究員 (70392355)
中村 和昭 (財)東京都医学研究機構, 研究員 (80392356)
奥村 彰規 (財)東京都医学研究機構, 研究員 (90392357)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | MOCA / 軸索伸長 / 神経栄養因子 / 神経変性疾患 / 神経再生 |
Research Abstract |
我々はRac1を活性化する新しいguanine nucleotide exchange factorであるmodifier of cell adhesion protein(MOCA)が、神経細胞特異的に発現することをすでに報告している。そして本年度はMOCAを初代海馬神経培養細胞へ遺伝子導入することにより軸索伸長が促進されることを発見した。神経栄養因子であるbrain-derived neurotrophic factor(BDNF)には軸索伸長効果があることがすでに知られているが、MOCAを遺伝子導入した初代海馬神経培養細胞へBDNFを投与すると、軸索伸長は相乗的に増大した。またこの作用はBDNFが高親和性受容体TrkBに結合することによって伝達されること、BDNFによって活性化したMOCAは活性型RhoGやElmoと複合体を形成することにより、効率よくRac1を活性化することを証明できた。さらにこうしたMOCAによるRac1活性化にはMOCAが細胞膜上へ移行してリン酸化される必要があることも判明した。以上の結果からBDNFの神経軸索伸長作用には、MOCA-Elmo-RhoGの複合体形成の促進という細胞内メカニズムが関与することが示唆された。 一方で免疫組織染色法やin situ hybridization法などにより、大脳皮質や海馬にはMOCA、Elmo、RhoGが共存することも確認している。したがってBDNFによるMOCAを介したRac1の活性制御が、生体内の神経細胞軸索伸長においても重要な働きを持つ可能性がある。これらの成果については現在投稿準備中である。 本年度は神経栄養因子が発揮する生物学的多様性に関する考察を含め、合計13報の原著論文と2報の総説論文を国際誌に発表した他、国内においても多数の学会発表などを行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)