ポリグルタミン病に対する凝集阻害ペプチドの遺伝子治療と凝集阻害薬のスクリーニング
Project/Area Number |
17025026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 義隆 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60335354)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 遺伝子 / 神経科学 / 蛋白質 / 脳神経疾患 / 遺伝子治療 / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / アミロイド |
Research Abstract |
ポリグルタミン(PolyQ)病は種々の脊髄小脳変性症、ハンチントン病などを含む一群の難治性神経変性疾患の総称で、原因蛋白質内の異常伸長PolyQ鎖がβシートへの異常コンフォメーション変移を獲得し、難溶性凝集体の形成を含む異常蛋白質間相互作用などにより神経変性を引き起こすと考えられている。我々はこれまでに異常伸長PolyQ鎖選択的に結合するペプチドQBP1がin vitroでβシートへのコンフォメーション変移・アミロイド線維様凝集体形成を阻害し、培養細胞およびショウジョウバエモデルにおいて異常伸長PolyQ蛋白質の封入体形成・神経変性を抑制することを明らかにしてきた。 本研究では(1)QBP1を発現するウイルスベクターをマウス脳内に感染させて,PolyQ病モデルマウスに対する遺伝子治療を行った。まずアデノ随伴ウイルスベクター5型(AAV5)をマウス線条体に注射したところ、HSV-1など他のウイルスベクターに比べ、脳内広範囲で長期間にわたり高レベルの遺伝子発現が得られることを確認した。次にQBP1を発現するAAV5-QBP1ベクターを作成し、4週齢のハンチントン病モデルマウスR6/2の線条体へAAV5-QBP1の注射を行なったところ、やはり注射側線条体広範囲で長期間のQBP1の発現を認めたが、4週齢マウスでは既に異常伸長PolyQ蛋白質の封入体蓄積があり、十分な治療効果は得られなかった。現在生後7日齢のマウスを用いてAAV5-QBP1の遺伝子治療を試みている。 また(2)PolyQ病の発症分子機構に基づいた薬物治療を目指して、QBP1と同様のPolyQ凝集阻害活性を持つ低分子化合物のハイスループットスクリーニングを行なった。既に大規模な低分子化合物ライブラリー(45,000個)のスクリーニングを終了し、約100種類の新規PolyQ凝集阻害化合物を見い出した。そのうち15種類の化合物は非常に強力なPolyQ凝集阻害活性を示した。 以上の結果から、異常伸長PolyQ鎖選択的結合ペプチドQBP1を用いたPolyQ病の遺伝子治療の可能性が示された。また、薬物治療確立を目指して新規のPolyQ凝集阻害化合物を同定しており、これらはPolyQ病治療薬のシード化合物として期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)