パーキンソン病におけるパエル受容体の病態生理的役割の解明
Project/Area Number |
17025048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 良輔 京都大学, 医学研究科, 教授 (90216771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 鋭 財団法人田附興風会, 医学研究所第4研究部, 主任研究員 (70303815)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | AR-JP / Parkin / ユビキチンリガーゼ / E3 / トランスジェニックマウス / ドーパミン毒性 / 小胞体ストレス / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR-JP)の原因遺伝子産物Parkinは、タンパク質の分解にかかわるユビキチン・プロテアソーム経路のユビキチンリガーゼ(E3)の活性を持ち、AR-JPに見られる変異体ではE3活性が欠失または低下している。このことは、Parkinの基質の神経細胞への蓄積がAR-JPの原因であることを強く示唆する。我々がParkinの基質として同定した膜タンパク質Pael-Rは神経系培養細胞内で過剰発現させると、高度なユビキチン化とともに細胞死が観察される。この原因はPael-Rが折り畳み効率の低いタンパク質であり、折り畳みに失敗したミスフォールド化Pael-Rは小胞体関連分解(ERAD)で分解されるものの、発現量がERADの処理能力を超えると、小胞体及び細胞質に蓄積し小胞体ストレスを引き起こしてアポトーシスを生じさせるからと考えられる。これらの結果を踏まえ、AR-JPモデルマウスを作出する目的で、Pael-Rトランスジェニックマウス(Pael-R Tg)を作製した。Pael-R Tgでは軽度ながら、12ヶ月から選択的に黒質ドーパミンニューロンの脱落を認め、加齢マウスでは約25%の減少が観察された。Pael-R Tgでは、線条体中のドーパミンレベルが増加傾向を示し、DOPAC及びHVAレベルが有意に上昇した。更に、酸化的ストレスのマーカであるカルボニル化タンパク質の増加を認めた。Pael-Rのドーパミン合成・代謝に関与する機能を解析する目的で、Pael-Rの結合タンパク質を探った。Pael-RはVMAT2と結合し、VMAT2がシナプス小胞にドーパミンの取り込みを抑制することが明らかとなった。以上の結果から、Pael-R Tgにおけるドーパミン神経変性は、小胞体ストレス、酸化的ストレス、ドーパミン毒性が相乗的に作用して誘発されるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)